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こんにちは。前期高齢者(65~75歳)向けにオンライン運動教室を開催し、安心して運動できる環境を提供するソリューションサービス「ツヅクンデス」チームの薦田です。
本ソリューションは、パナソニックの新規事業創出活動Game Changer Catapult(以下、GCカタパルト)のビジネスコンテストに参加し、アイデアの事業化を目標に活動しています。
今回は「ツヅクンデス」が生まれた経緯や、私たちが実現したい理想の未来などについて紹介します。
身近な体験から生まれた介護の負の連鎖を断ち切りたいという想い
人は加齢により筋力が衰えます。特に下半身の運動能力が低下し、自力歩行が困難になると介護が必要な状態に。本人はもちろん、介護をする家族にも負担が重くのしかかり、精神的ダメージも計り知れません。
チームメンバーの家庭でも、祖母の介護をしていた家族が腰を痛めてしまうといったことがあり、同じような経験をしている方のために「介護の負の連鎖を断ち切る」をテーマとしたソリューションを考え始めました。
そこで、私たちは「介護を受けることを事前に防ぎ、健康な体を維持する」をテーマに65~75歳の前期高齢者にターゲットを絞り、ヒアリングを開始しました。
122名以上のヒアリングで得られた運動への課題
ヒアリングは前期高齢者を中心に、医療関係者の方も含めて122名以上の方に行いました。その結果、ほとんどの方が健康に対する不安を抱えており、運動の必要性を感じてはいるものの続かない状態であることが分かりました。
既往歴があり、運動する必要はあるけれど、自動車の免許を返納してしまって遠方まで通えない方や、医療関係者から運動を指示され、ウォーキングに取り組んだところ症状が悪化してしまったという方もいました。これは、実際に必要だったのは筋力トレーニングなのに詳しい指導が受けることができないまま、誤った運動を行っていたことが原因です。
また、ジムなどに通っても「コーチが自分のことを理解してくれず嫌になった」という方も多くいました。
特に既往歴がある方は、運動の必要性があるとは理解していても「場所の関係で通えない」などの問題があり、「正しいトレーニングの方法がわからない」「コーチが自分のことを理解してくれない」といった現状から継続できていません。私たちはそうした課題を受けて、既往歴に応じた運動プログラムを、トレーナーの指導を受けながら自宅からオンラインで参加できるサービスがあれば、悩みを解決できるのではないかと思い、「ツヅクンデス」を考えましました。
パナソニックで事業化する強みと社会的意義を感じられた実証実験
「オンラインでも十分運動ができる」という声だけではなく、「テレビで見るのとは違い、会話ができるから楽しい」「決められた時間に人と話せるので、ワクワクしている」といった当初想定していなかった声もあり、コミュニケーション不足の解消という面でも貢献できていることもわかりました。
この実証実験を通して、「ツヅクンデス」のアイデアが、前期高齢者が抱える悩みを解決するきっかけとなる確信を得ることができました。これからは実験の結果をもとに、さらなるブラッシュアップを図り、事業化にむけて新たなサービスへの検証を進める予定です。具体的には、当社のデジタルヒューマン技術を取り入れてトレーニング中の身体と心の状態をデータ化し、利用者へ適切な指導を行うシステムの導入や「ツヅクンデス」を、スマホからテレビに接続できない人に向けて地域で気軽に相談できるフォローサービス、既往歴がある方に向けてトレーニングをサポートするデバイスの提供です。これらは「人々の暮らしに寄り添う」を理念に、サービスを提供するための技術やデバイスが揃っている当社だからこそできること。
「ツヅクンデス」を通して、前期高齢者の方に自宅で楽しく運動が続けられる環境を届け、いつまでも家族と笑顔で過ごせる...。そんな健やかな未来を実現することが私たちの目標です。
本気の挑戦が世界を変える
「ツヅクンデス」に取り組むことで、新たなサービスを生み出すことの難しさを実感しました。介護についての現状や課題は、ある程度認識していましたが、それは表面的なものでしかなく、実際の現場を見たり、生の声を聞いたりすることで、深く考えるきっかけを多く得られました。
ヒアリングや実証実験でも、さまざまな意見をいただきますが、全てを受け入れるわけではなく、どの意見が最善かを、自分たちで取捨選択しなければなりません。どんなに小さな課題でもチームで話し合い、考えながら進めてきました。議論を多く重ねてきた分、仮説が実証されたときの達成感や喜びはひとしおです。チームのフォローがあったから、ここまで到達出来たと実感しています。
新規活動創出は、思うようにいかないことや大変なことも多く、正直簡単ではありません。しかし、人と向き合うことの難しさや楽しさ、自分と違う世界の人の考えを聞けるなど、多くの知識や経験をもたらし、視野が広がりました。
私たちはこれからも介護の負の連鎖が解消され、一人ひとりが健やかに楽しく過ごせる社会を目指して取り組みを続けます。