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"共創"が街を動かす!~福岡市「RAMEN TECH 2025」現地レポート

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    「スタートアップの街」として注目を集める福岡市。
    街ぐるみで新たなチャレンジが始まっています。105日から1012日までの1週間、市街を中心に開催されたスタートアップ交流イベント「RAMEN TECH 2025」を現地取材しました!

    福岡から生まれる、地域発のスタートアップ・エコシステム

    「スタートアップ都市ふくおか」宣言から13年。
    福岡市は、人口減少や東京一極集中といった地域経済の課題に真正面から向き合い、都市活性化の柱として、スタートアップ支援を行っています。
    誰もが創業しやすく、持続的に成長できる環境を目指して、国人起業家向けのビザ制度、法人減税、資金調達や海外展開を後押しするプログラムなど、行政が起点となり多角的な取り組みが展開されてきました。

    街ぐるみで挑む、福岡スタートアップの次の一手「RAMEN TECH 2025」

    街ぐるみで挑戦を後押しする取り組みとして、2025105日から1012日までの1週間、福岡市街を中心に、国内外のスタートアップ関係者を対象としたイベント「RAMEN TECH」が開催されました。

    イベント期間中、「FFGみらいの会議」、「STARTUP GOGO」、「RAMEN TECH Global Summit」など、各地で70以上のイベントが開催。スタートアップと投資家、大企業、自治体のマッチングの機会として、ピッチコンテストやリバースピッチ、カンファレンス、ネットワーキングイベントなど多彩なプログラムが実施されました。

    未来をつなぐ交流の場「FFGみらいの会議」」のリバースピッチに郷原CTROが登壇

    パナソニックくらしビジョナリーファンドは、ふくおかファイナンシャルグループ(FFG)主催のビジネス交流イベント「FFGみらいの会議」で行われたリバースピッチ(主催:SBIインベストメント株式会社)に登壇。福岡・九州エリアの有望スタートアップと、事業会社・VCなど多彩なプレーヤーとの出会いの機会となりました。
    当社以外にもCVCを推進する事業会社、約10社が登壇。各社がそれぞれの事業ポジションからスタートアップ投資にかける意気込みを語る中、パナソニックはCVCを通じたスタートアップとの共創による新規事業創出と、その戦略背景を説明。「健康」「食」「エネルギー」の3領域に重点を置いた投資実績を紹介し、会場のスタートアップに協業を呼びかけました。

    当社郷原CTROの登壇
    「FFGみらいの会議」会場の様子

    「RAMEN TECH Global Summit」から見た福岡市の可能性

    福岡市主催の「RAMEN TECH - Global Summit 2025 -」の会場では、地域発のスタートアップに加えて、海外からのスタートアップ展示ブースも多く見られました。

    同イベントのメイントークセッション、「飛躍する福岡スタートアップ~歴史と展望~」では、高島宗一郎・福岡市長が登壇。 福岡のこれまでの取り組みや今後の展望について、株式会社メルカリ 小泉文明氏 ・さくらインターネット株式会社 小笠原治氏など他のゲストと共に、行政・ビジネス・カルチャーと多視点での議論が交わされました。

    フォースタートアップス株式会社 鈴木聡子さん・高島宗一郎・福岡市長・株式会社メルカリ 小泉文明氏・さくらインターネット株式会社 小笠原治氏

    市長からは、福岡のスタートアップ・エコシステムの盛り上がりの背景には、行政、民間企業、大学、そして市民が一体となり、長年にわたりスタートアップ文化を育んできた地道な積み重ねの成果であることが語られました。
    近年では、教育、子育て、脱炭素といった地域課題の解決を目指す「ソーシャルスタートアップ」の動きが加速しています。福岡市はこうした企業に対し、課題の提示から、実証実験の支援、規制緩和、資金支援などの包括的な支援を行う事で、スタートアップが都市課題に挑戦しやすい環境を整えています。

    支援の中には「支援施設を一等地に建てる」「優遇制度をつくる」など、行政ならでは取り組みも多く、行政と民間、双方の熱量の掛け算がスタートアップの質と規模を飛躍的に向上させている事を感じ取る事ができました。また、コロナ禍以降の移住者が増加し、多様な人材が集まった事も、イノベーションを加速させている背景として語られていました。

    また、イベントの最後にはピッチコンテストの表彰式が行われ、国内外から参加した19社のスタートアップの中からグランプリが選出されました。
    「健康な歯を削らずに修復する新しい治療技術」をテーマに発表した「株式会社amidex」は、「できるだけ自分の歯を削らずに、生涯自分の歯で楽しく過ごせる世界を実現したい」という想いが共感を呼び、グランプリを受賞。福岡市で社会課題解決型の「ソーシャルスタートアップ」が着実に増えていることを示す象徴的な受賞となりました。
    受賞にあたり、高島市長より賞金100万円が授与されました。

    アワードを受賞された各企業 グランプリは「削らない歯の治療・株式会社amidex」

    違いが響き合う街、福岡。イノベーションは"共創"から始まる

    福岡市は、都市としての規模はコンパクトでありながら、人と人とが自然に交わり、歴史上様々な「つながり」を生み出してきました。異なる分野や文化的背景を持つ起業家たちが集まり、豚骨ラーメンを象徴とする "共創"が生まれ、イノベーションの芽が息づいています。
    福岡が持つ「多様性を受け入れる寛容さ」と「人と人とのつながりやすさ」は、スタートアップが根を張り、成長していくための欠かせない「土壌」になっているのだと、改めて感じました。

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