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共創活動で「健康的に美しく長生きできる世界」を作る-「Marunouchi Crossing 2024」

共創活動で「健康的に美しく長生きできる世界」を作る-「Marunouchi Crossing 2024」 | くらしビジョナリーコラボスタートアップと、くらしでつながり新しい価値や事業を創出するオープンイノベーション活動

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    2024年12月4日、「Panasonic Kurashi Visionary Colab」は、丸の内で開催されたオープンイノベーションの現在と未来を探求する1Dayイベント「Marunouchi Crossing 2024」に参画。多くの企業やスタートアップ、アカデミア、行政の方々が来場し、盛り上がりを見せた同イベントの様子を振り返ります。

    「ロンジェビティ」を共に考えるパートナーを探索

    会場にはスタートアップや企業のイノベーション担当者など多くの人が訪れました

    今回のイベントに参画した目的は「パナソニックくらしビジョナリーコラボ」が提唱する「ロンジェビティ=健康的に美しく長生きできる世界」の理念に賛同し、協業していけるパートナーを見つけること。
    会場ではブースを設置して、現在進行している協業事例を紹介しました。国内最高水準のゲノム解析技術保有のスタートアップとの事例や、スマホで簡単に医師の診察・処方を受けられるオンライン美容医療サービスのスタートアップとの事例など、新たな価値提供に挑んでいる協業事例をご紹介しました。

    来場者からは「検証活動の後に広くサービス提供されることが楽しみ」、「事業部門と密に連携しながら事例をつくっているところが素晴らしい」、「テーマに共感。連携可能性をディスカッションしたい」といった声をいただき、意見交換が弾みました。

    また、企業側が協業先へアプローチするリバースピッチの形式で行われた「Corporate Venturing Pitch」 では、CTROの郷原が登壇。パナソニックも元々は100年以上前のスタートアップからはじまり、「共存共栄」を経営理念に事業を拡大してきたこと、既存事業を基盤としつつ、健康・美容の領域でスタートアップや医師、専門家などのパートナーと密に連携しながら新規事業創出に挑戦していることを語りました。さらに、NewsPicksとの共同メディアプロジェクト「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート(HYPER HYPED LONGEVITY: the REPORT)」では「ロンジェビティ」を「健康的に美しく長生きできること」と定義し、その実現のために、科学的エビデンスに基づく最先端の情報の発信や、メディアに連動したソリューションを今後検討していくことを伝えました。

    イベントの後は別会場で交流会が開催されました

    メディアやパートナーとの協業で「健康的に美しく長生きできる世界」を作る

    「Panasonic Kurashi Visionary Colab」では、スタートアップや大学、研究機関などの外部パートナーとの共創を通して、より豊かな暮らしを実現するための挑戦を続けています。その一つとなるNewsPicksとの共同メディアプロジェクト「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」は、「ロンジェビティ」という不確実性の高い領域に真正面から向き合う、パナソニックがこれまであまり取り組んでこなかった活動として、各方面から注目を集めています。なぜ、このようなメディアを立ち上げたのか、「ロンジェビティ」の領域において、具体的にどのようなプロジェクトが進行しているのか。メディアプロジェクト担当の中山、ヘルスケア領域のCVC協業・出資担当の井伊に話を聞きました。

    ―今回、どのような経緯で「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」というメディアを立ち上げたのでしょうか。

    中山現代社会はテレビやネット、SNSで玉石混交の情報があふれていて、私たちはどの情報を信じたらよいか分からず、納得できる意思決定が難しい状態になっていると思います。そういった状況のなかで、健康・美容の領域においても「ここなら信頼できる」と感じさせてくれる情報源があればいいな...と考えたのが、メディアを立ち上げた背景です。また、メディアといっても、「これが良いですよ」と一方的に発信するものではなく、不確実性の高い先端的なトピックであっても根拠に基づいて議論するなど、ある種の批評性、いわば言論空間としての側面も重要だと考えていました。

    「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」メディアプロジェクト担当の中山(左)とヘルスケア領域で CVC協業・出資を担当する井伊(右)

    ―さまざまなメディアがあるなかでも、NewsPicksと共同プロジェクトを立ち上げる決め手になったものは何でしょうか。

    中山NewsPicksは主に経済を扱うメディアではありますが、一つの話題を取り上げる際に、「これはどうなっているのだろう」というジャーナリスティックな目線で切り込みながら、ビジュアルなど含め分かりやすく伝えることに長けていると感じていました。
    また、発信された記事に対して、専門家の方をはじめ、様々な立場や環境にいるユーザーがコメントできるようになっており、そこから多様な視点を取り入れた議論も生まれています。そういった状況も含めて、私たちが必要だと考えていたメディアの要素と通じる部分があり、一緒にやりませんかとお声がけをさせていただきました。

    ―健康や美容という幅広い領域でのメディアとなると、様々なテーマが候補にあったと思います。そのなかでも「ロンジェビティ」に注目された理由は。

    中山まず、「ロンジェビティ」の直訳は「長寿」ですが、「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」では「健康的に美しく長生きすること」と定義しています。近年、生命科学の研究の進展によって老化のメカニズムが明らかになってきており、その知見を活かした若返りなど、グローバル企業やスタートアップによるロンジェビティビジネスの立ち上げや投資が世界的に加速しています。その一方で、それらのメカニズムや効果についてのエビデンスはまだ十分といえる状況ではなく、生活者からすると何をどこまで信じてよいのか分からないというのが現状です。
    そのような不確実性の高い「ロンジェビティ」は、今後私たちにどのような可能性をもたらすのか、最新の研究ではどこまでがエビデンスとして認められていて、どこまでが推測なのか。そういった、「健康」・「美容」に加えて「抗老化」も含めた最先端のトピックを発信することで、「ロンジェビティ=健康的に美しく長生きする」という新たな価値観を社会に浸透させていきたいと考えています。

    ―スタートアップや大学、研究機関といった外部パートナーと協業するメリットはどのようなところにあると考えますか。

    井伊スピード感とチャレンジ精神ですね。例えば、私たちが新しい領域で事業化を目指そうとなったときに、厳しい社内基準をクリアしてリスクが概ね無いと判断されてから、プロジェクトが動き出すというプロセスが取られています。そのため、ビジネスチャンスがあっても、なかなかスピーディーに動き出せないという課題がありました。しかし、スタートアップの方々は、私たちだけでは解決できない課題に対しても、別の解決策を迅速に考えてトライしてみようとする行動力があります。ビジネス環境の変化が激しい現代において、私たちは外部パートナーとの共創に強い期待をもっています。

    外部パートナーと協業することのメリットについて話す井伊

    ―健康・美容領域で進んでいる新規事業創出活動の具体的な取り組みを教えていただけますでしょうか。

    井伊現在、私たちが手がけているプロジェクトは主に2つあります。Neautech社(1)と提携して、私たちの美顔器とスキンアドバイザーなどの専門家が推薦する美容液を組み合わせて、一人ひとりの肌質に合わせた使い方を提案するサービスの実証実験を行っています。
    また、Zene社(※2)とは、ゲノム解析データを活用して、生活習慣病の予防に向けた行動への影響を調べる、松下記念病院で実施中の研究に協力しています。
    どちらも検証フェーズの段階ですが、既に美顔器を有償使用下さったお客さまからは「効果が実感出来た!」という大変有難い声を多くお寄せいただいています。パートナーの方が蓄積したノウハウや知見の共有、情報交換を進めることで、一人ひとりの身体の悩みに合わせて科学的なデータに基づいたソリューションを提供できるような新しいビジネスモデルの構築を進めています。2025年以降には、具体的なサービスを提供予定となっています。

    ―最後に、今後どのようにパートナーの方々と共創していきたいかを教えていただけますでしょうか。

    中山「ハイパーハイプト ロンジェビティ リポート」への実際のコメントを拝見して、ある意味での難しさと可能性の両方を感じています。一つのテーマを論じたとしても、医療従事者の方、事業化している方、生活者の方など様々な視点からの意見がありました。今回参画した「Marunouchi Crossing 2024」のオープニングセッションのなかでも、「イノベーションというのは、議論が分かれるところからしか生まれない」という話があったように、「これはどうなんだ」という議論が生まれている状況だからこそ、発展していく可能性があるのではないかと個人的には感じています。
    それを、どのようにビジネスに落とし込んでいくかは、これから検証をさらに進めていくところですが、メディアの公開と合わせておこなった共創先の募集では、想定を超える人数の専門家・有識者の皆さまからエントリーいただきました。今回ご関心を寄せていただいた方や、この先お会いできるスタートアップやアカデミアの方などが持っていらっしゃる、知見や技術を融合しながら取り組みを進化させていきたいと考えています。

    井伊現在外部パートナーと協業しているプロジェクトを通して、自分の身体のことを科学的に理解し、プロダクトを選ぶときにエビデンスに基づくことで納得感を持って判断できる、そのような人々が世の中に増えることを願っています。私たちの目的である「健康的に、美しく長生きできる世界」の実現に共感いただいた方とディスカッションをしながら、一人ひとりの身体の悩みを改善・解決できるようなプロダクトやサービスの開発、ビジネスプラットフォームを構築していきたいと思います。

    株式会社Neautech | ニューテック
    スマートフォンなどを活用したオンラインによる医師の診断を通じ、ニキビ、シミ、くすみ、肝斑、毛穴などの肌悩みや目指したい肌に応じた処方薬や基礎化粧品などを自宅に届けるオンライン診療プラットフォームを展開

    株式会社Zene
    「ゲノムをより身近に、ゲノムがあたりまえの世界に」をビジョンに掲げ、ポリジェニックリスクスコア手法を採用したゲノム解析技術で高い精度を実現したヘルスケアサービスを法人向けに展開

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