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Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)の事業アイディアの一つである「totteMEAL」。 冷蔵庫に後付のIoTデバイスをとりつけ、アプリやフードを提供するサードパーティのパートナー様と連携することで提供する新たなフードソリューションです。忙しいビジネスパーソン一人ひとりに寄り添い、豊かな食生活をご提供することを目指しています。そんな「totteMEAL」がコアターゲットとしているのが、オフィスでのランチ困窮者。「昼食がとれなかった」、「食べたいものが食べられなかった」という事態に陥っている、いわゆる"ランチ難民"です。
調査前半では、オンライン調査を元に"ランチ難民"の発生の要因を検証しました。その結果
①オフィスがビルの高層階に位置し、エレベータ待ちなど移動に多くの時間を要する
②忙しくて昼食の時間が十分に確保できない
という2つの仮説を立てています。これらの仮説を元に事態を知るべく、忙しく働く皆様のオフィスにお邪魔して、ユーザーンタビューを行いました。
働く人に聞いた、リアルな「ランチの本音」とは
「お昼ご飯に何を食べていますか」という質問から見えてきた、働く人の"ランチのホンネ"。オフィスで働く人のランチには、それぞれ独自のマイルールがあることがわかりました。具体的なランチ事情を元に、栄養士さんによる分析も踏まえつつ、totteMEALが解決すべき課題は何か、検証しました。
1.健康への関心度が高いハードワーカーAさん(男性、30代)のランチの本音
今年の2月~6月の間、ダイエットをしていたAさん。炭水化物を抜くことを中心に、太りにくいと言われる食材を食べるようにしていたそうです。自分で色々と調べながら取り組んだので、健康情報にはすっかり詳しくなったそう。そんなAさんの昼食とは?
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月 コンビニの弁当
火 弁当屋の幕内弁当
水 コンビニのサラダ&サンドイッチ
木 弁当屋の健康志向弁当
金 外食(タイ料理)
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Aさんの本音------
月曜日は、時間がなく急いでいたため、オフィスが入っているビルの地下にあるコンビニへ。特に食べたいものはなく、健康的なものを選ぼうと思い、バランスがとれていてボリュームのある弁当を購入しました。また、食べる順番を工夫。最初にサラダを食べてから、炭水化物を口にしました。こうすると太りにくいらしいので。
火曜日は、外出先からの帰り道で、弁当を購入。帰社してすぐにミーティングの予定だったので、サッと買って食べました。
水曜日は、月曜日と同じく時間がなかったため、同じコンビニで塩釜チキンのサラダとサンドイッチを購入。いつも野菜はとるよう心がけています。塩釜チキンのサラダはこの日初めて食べたのですが、思ったよりボリュームがあって、肉も美味しくて満足しました。健康やダイエットを気にしつつ、肉好きなので、できれば肉が食べたいんですよ(笑)。ただ、金額が700円弱と高くついたので、しょっちゅうは買えません。
木曜日は、健康志向のヘルシー弁当を購入。サラダをベースに、メインのおかずが3品選べるスタイルのものです。それなりに美味しいのですが、1000円弱するのがネック。700円ぐらいだったら良いのですが。
金曜日は、同僚と外食。近所のタイ料理店へ行き、1100円のランチセットを食べました。900円のものもありましたが、ちょっと奮発して(笑)。人と一緒だと、楽しく会話しながらの食事でリフレッシュできますね。
その他、間食用にデスクには小分けのナッツとカカオ95%のチョコレートを常備しています。本当は甘いものが食べたいですが、せっかくダイエットしたので。昔大好きだったケーキやフルーツも、今は食べていません。
Aさんインタビューの様子
基本的に、内勤と外勤は半々ぐらい。チームで動くことが多いため、スケジュールのコントロールはしにくいです。空き時間に昼食をとっています。
オフィスはビルの21階にあり、お昼のピークは12時。自分もその時間に動かなければならないとなると、なかなかエレベータが来なかったり、来ても乗れなかったりで、往復10分はかかります。
理想は誰かと外食したいですが、実際は忙しくて時間が取れず、一人でサッと済ませることがほとんどです。コンビニや弁当屋で購入したものを、自分のデスクで仕事の資料を読みながら食べています。その分、人と食べる時は、炭水化物も制限しませんし、金額も気にしません。また、もう少し時間に余裕があれば、15分ぐらい昼寝できると嬉しいです(笑)。
<株式会社AIVICの栄養士さん*によるコメント>---------
間食にお菓子を食べると、糖質のみ摂取することになり、血糖値が急激に上がります。そして下がっていく中で眠気が発生し、仕事のパフォーマンス不良に陥ることに。その点、ナッツを食べているのは良いですね。糖質が少なく、ミネラルがとれるので。特に不足しがちな、マグネシウム、亜鉛、カルシウムなどが補えます。ちなみに、個人的には昆布がおすすめ。ミネラルやアルギンサンという食物繊維が豊富で、糖質が少ないので。チーズも糖質ほほゼロなので良いと思います。
2.社会人2年目元水泳部Bさん(男性、20代)のランチのホンネ
学生時代は水泳部で、今も仕事の合間に水泳を続けているというBさん。職場環境に適応するべく行き着いたランチメニューは、バラエティを求めるよりも、ストイックに仕事のパフォーマンスと体型キープを考えた結果なのだとか。
そんなBさんの昼食とは?
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月 コンビニの100円キャベツ&おにぎり1個&チキンorフランクフルト&水
火 同上
水 同上
木 同上
金 同上
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Bさんの本音---------------
昼食は毎日同じ。通勤途中にコンビニで購入する、100円の千切りキャベツとおにぎり1個、あとはホットフードのチキンかフランクフルトです。
炭水化物をとりすぎると眠くなり、午後の仕事に影響するんですよね。それならば昼食は質素な方が良いと思い、このメニューに辿り着きました。特に調べたわけではなく、あくまで体感ですが(笑)。一度試して上手くいったので、それからずっと続けています。デスクワーク中心の仕事内容から考えると、カロリーも適度だと考えています。
ちなみに、学生の頃は学食で毎日違うものを食べていましたし、入社して1カ月程は外食していました。でも、エレベータが2機しかなく、昼休みの12時~13時は混むんです。オフィスがある9階から降りるのに10分、上がるのに10分。プラス飲食店までの往復20分を考えると、食事の時間が残り20分しかなくて...。また、あまり安い店が無く、毎食1000円超えるのも負担でやめました。
Bさん(手前)インタビューの様子。ちなみに奥にいるのがtotteMEALプロジェクトリーダーの井上です。
ただ、一番の理由は、やはり食べ過ぎると眠くなるから。お昼時になると、ビル内のあちこちに移動販売の弁当屋が来るのですが、揚げ物たっぷりの弁当ばかりで。500円と安いので人気なのですが、ごはんも多くボリューム満点なので、私は買う気になりません。
それに、実はそもそも食に興味が無いというのも大きいですね(笑)。食事は楽しみというより、栄養摂取が目的。とは言え、一人で黙々と食べているわけではないですよ。フロアのフリースペースで、同僚と一緒に話しながら楽しく食べています。
だから、現在の昼食に不満はありません。5年後同じ状態でも、全く問題ないぐらい。昔から身体を鍛えるのが好きで、学生の頃からずっと続けている水泳を、今後もやっていきたいという思いだけです。今までの努力が水の泡になるようなことはしたくないので、体力と体型キープには気を使っています。
なので、もしビル内でリーズナブルな健康食が販売されていたら、買うかもしれません。多少割高でも良いので、一口サイズのプレーンな蒸し鶏胸肉があったら最高ですね。三時のおやつ代わりに、デスクで仕事しながらつまみたいです。
<株式会社AIVICの栄養士さんによるコメント>----------
積極的に栄養をとろうという意思が感じられるのは良いですね。トータルで見ると、例えばラーメンライスを食べるよりはバランスが良いと思います。ただし、コンビニの千切りキャベツには、ほとんど栄養はありません。そして、全体的にカロリー不足です。また、コンビニ食は添加物が心配。特にチキンやフランクフルトを始めとした加工食品は、一般的にリン酸塩のとりすぎになります。バランスが取りにくく、添加物を摂取しすぎとなり、さらに同じものを選びがちになってしまうコンビニ食は、あまりおすすめできません。
3.投資会社に勤めるディレクターCさん(男性、30代)のランチの本音
外勤7:内勤3の割合で毎日忙しく、ゆっくり昼食をとる時間はないというCさん。外に出てもなかなか外食できず、昼食はテイクアウト中心で、仕事をしながらでも片手で食べられるものが最優先。その上で、美味しくヘルシーであれば尚良いと話します。
そんなCさんの昼食とは?
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月 置き菓子サービスのお菓子(スナック菓子×2&ショートブレッド風の栄養調整食品&チョコレート)
火 弁当屋のレディース弁当
水 コンビニのサンドイッチ&炭酸水
木 同上
金 外食(ラーメン)
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Cさんの本音---------------
月曜日は、時間がなかったので置き菓子サービスを活用。小銭が500円玉しかなかったので、まずお腹に溜まりそうなスナック菓子2個と、残りの金額で買えるブロックタイプの栄養調整食品とチョコレートを選びました。それを、仕事をしながらつまんで終わりですね。
火曜日は、少し時間があったので、弁当を買いに出かけました。みそ汁付きで700円ぐらいの弁当です。
水曜日は、外出前にオフィスが入っているビルの地下にあるスーパーに寄り、サンドイッチ2個と炭酸水を購入。移動のタクシーの車内で食べました。木曜日も同じです。
金曜日は、打合せで外出していた帰りに、その界隈で有名なラーメン屋に立ち寄りました。
間食はあまりしないですね。たまに置き菓子サービスを利用しますが、基本的には食べません。昔はよく揚げせんべいを食べていたのですが、太ってきたのでやめました。普段はほぼ外食はせず、テイクアウトしたものをデスクで食べるか、移動の車内で食べるかです。なので、最も重視するのは、仕事をしながら片手で食べられること。それでいて、美味しく健康的であれば良いなと思いながら選んでいるのですが...。
購入先は、コンビニ6:弁当屋6ぐらいの割合。昼食がとれるとなったタイミングで買いに行きます。コンビニで購入するのは、サンドイッチやおにぎりなど。野菜もとらなければと思うのですが、サラダだと片手で食べられないので(笑)。コールスローサラダなどの一品を足すこともありますが、代わりスムージーを買うことが多いです。それで大体600~650円ぐらい。弁当屋では、大体700~1000円ぐらいの弁当を選びます。コンビニでも弁当屋でも、結局いつも同じものを選択。考える時間がもったいないので。
こうしてみると、健康的な食生活はできていませんね。お酒も大好きですし(笑)。強いて言えば、毎朝通勤途中に栄養補給のゼリー飲料を買って飲んでいるぐらいでしょうか。身体に良いかなと思いつつ、朝食はこれだけで他には何も食べられていません。
その上、中学から大学までバスケットをしていたのですが、今は完全に運動不足。以前通っていたジムにも、最近は行けていません。ただ、3歳の子供がいるので、一緒に公園で遊ぶのが多少運動になっているかな...と思っています。
Cさんインタビューの様子
毎日忙しくて余裕がないですが、時間があれば外食したいという気持ちはあります。普段はサンドイッチなど手軽で温める必要もないようなものを選ぶので、たまにはきちんとした食事を。出来立てで温かく、ヘルシーで、きちんと手の込んだ料理が食べたいです(笑)。価格もランチならばそれほど気にしません。と言いつつ、さすがに1食1500円となると高い気がするので、1000円前後でしょうか。ゆっくり食事をして、食後はカフェで読書なんてできたら最高ですね。
とは言え、今の仕事にはやりがいを感じているので、やはり限られた時間で手軽に美味しく、健康な食事をとりたいです。テイクアウトの弁当でも、これ一つで一日分の野菜がとれるというようなものがあれば理想。味気ないバーのような栄養食ではなく、美味しい食事で栄養がとりたいです。また、一人用の惣菜パックや、肉のポーションなどが、もっと手軽に手に入ると良いなと思っています。
働く人のランチを幸せなものにするため「totteMEAL」にできることとは
今回インタビューに応えていただいた3名の方を比べるだけでも、ランチ事情は三者三様。職場環境やマイルール、こだわりはバラバラです。しかし、それぞれに目的を持ってランチを選択されていることがよくわかりました。また、オフィス勤務の場合、やはり昼食は環境や時間などあらゆる制限があるもの。その中で、それぞれ折り合いをつけながら、工夫してやりくりされているという苦労が伺えました。一方、オンライン調査ではランチの不満として【選択肢の少なさ(11.1%)】が挙げられていましたが、今回のインタビューでは「選ぶのが面倒」という声も多く聞かれました。
全く選べないのは嫌だけれど、たくさんの選択肢からチョイスするというのは、限られたランチタイムでは負担になるということでしょうか。それに、本当は細かくたくさんの種類の弁当があって選べるというのが希望なのではなく、自分の目的に合った選択肢があることが真の満足感につながるのかもしれない、という仮説が生まれました。
その点では「アグレッシブチャージミール」や「リカバリーミール」など、目的別にランチをご提供するのも面白いかもしれません。「totteMEAL」なら、そうした選択肢を提供することにも貢献できるかもしれません。アプリ一つで、自分に合った食事を職場で簡単に購入できる、という 理想を実現。置き菓子サービスならぬ置き弁当サービスとして定着できる日も、そう遠くはないと考えています。
このように、今回わかったリアルな声を踏まえ、「totteMEAL」の可能性を広げるべく、まい進していきます
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Special Thanks: 株式会社AIVICK(アイヴィック) https://www.aivick.co.jp/solution.html
働く人の健康を「食」で支えるべく、企業の健康改善に特化した簡易社食サービス「TAVENAL/置き弁」を開発・提供。「食」と「ICT技術」2つの側面から、世の中の健康を支える事業を展開している。Game Changer Catapultは、「totteMEAL」が「SXSW2017」に初出展した当時からコラボレーションをしています。今回は私たちのユーザーインタビューの主旨にご賛同いただき、AIVICK所属の栄養士さまと一緒に働く人の昼食について検討、コメントを頂きました。