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聴覚障がい者の方に「コデカケ」を実際に使っていただく、初の先行体験会を実施

聴覚障がい者の方に「コデカケ」を実際に使っていただく、初の先行体験会を実施 | くらしビジョナリーコラボスタートアップと、くらしでつながり新しい価値や事業を創出するオープンイノベーション活動

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    聴覚障がい者のおでかけを支援するデバイス「コデカケ」。2021年にGame Changer Catapult(以下GCカタパルト)の社内ビジネスコンテストにて選出され、事業化に向けて活動を続けています。
    昨年、聴覚障がいがある方に「コデカケ」を装着していただき、一時間ほど散策する実証実験を行いました。今回はこの実験結果をもとに改良を加えた「コデカケ」を、より多くの方に使っていただく先行体験会を大阪市内にあるセレッソフットサルパークで実施。体験会の様子と参加した方の感想を紹介します。

    13名の参加者が、外出に近い6種類の接近状況でテストを体験

    手話を用いた説明会の様子

    先行体験会に参加いただいたのは、聴覚障がいがある方を含めた13名。SNSや大阪聴力障害者協会のHPの告知を見たことをきっかけに、申し込みがありました。
    はじめに、先行体験会に参加いただいた方に向けて、メンバーが「コデカケ」の特長や実施するテストの内容を説明します。聴覚障がいがある参加者の方には、手話通訳を交えて説明を行いました。

    自転車に気がついて振り向く歩行者

    「コデカケ」についての説明は、手話通訳とタブレットを用いて行いました

    今回の先行体験会で使用したのは、接近を検知するセンサーを付けたリュックと腕に装着するタイプのデバイスです。リュックにつけた後方から接近する自転車を感知センサーで察知し、デバイスの振動で自転車が来たことを体験者に知らせることを体験していただきました。コートのなかに設置した道を使って、さまざまな状況のなかでデバイスがスムーズに作動するかをチェックします。


    フットサルコート

    フットサルコートの中に作られた体験スペース

    先行体験会でのテスト内容

    先行体験会では6種類のテストを用意しました

    自転車が接近すると腕時計型デバイスが振動

    自転車が接近すると腕時計型デバイスが振動して知らせます

    自転車や歩行者が近づくまでの時間をデバイスが通知

    自転車や歩行者が近づくまでの時間をデバイスが通知します


    参加者からの前向きな意見でコデカケの価値を実感

    自転車が歩行者に近づく様子

    終了後、体験された方に「コデカケ」を使ってみてのヒアリングとアンケートを実施しました。以下、アンケートの回答の一部を抜粋して紹介します。


    • 「余裕のある距離で知らされるので避ける時間があるのが良い」
    • 「今回のデバイスは、是非取り入れたいとすごく感じました。実用化された際は、自分のスマートウォッチで取り入れられるのか、気になります」
    • 「普段の生活で支障を感じているため、実用化された際はぜひ、使用したいです」
    • 「視覚優先の場合、後ろに注意が行かないのでこういうデバイスはありがたいですね」
    • 「日常生活では問題ないのですが、ランニングや旅行に行った際にやりたいことに集中できるのがいいと思いました」

    アンケート結果からは、「コデカケ」が実用化されたら使ってみたいという意見を多くいただくことができました。昨年の実証実験でも「急に自転車が来たときに役立った」、「後ろを気にしないだけでこんなにも楽なんだと知った」という意見がありましたが、今回は、より多くの方に実証実験と同じような前向きな意見をいただけたことで「コデカケ」の必要性や世の中に届けることへの価値を認識することができ、メンバー自身手ごたえを得る感覚がありました。
    さらに、アンケートでは「散歩や買い物に気軽にお出かけできると思うから」、「喋りながら、自転車や車を避けることができるから」という理由で、家族や友人・知人にすすめたいという意見があったことも大きな発見でした。


    聴覚障がい者がココロおどるおでかけができる未来を目指して検証を進める

    コデカケ プロジェクトメンバー 北角

    コデカケ プロジェクトメンバー 北角


    今回の先行体験会について、メンバーの北角(きたずみ)に話を伺いました。


    ──「コデカケ」の先行体験会を実施しての感想をお聞かせください。

    北角:参加していただいた方からは「歩く時の後ろから接近するものに対しての不安や恐怖が減った」、「歩く時の気持ちが楽になった」など、喜びの声が多くいただけて安心しました。また、「コデカケ」の実用化に向けて応援してくださる声もたくさんいただき、聴覚障がい者の方にとって必要とされているプロダクトであることが、先行体験会を通して私たちも直接肌で感じることができました。改善点が必要な部分もありますが、今回の会で得られた意見や評価を実用化につなげられるように、検証を続けていきたいです。


    ──先行体験会で苦労したことは何ですか。

    北角:体験会の告知です。メンバー自らSNSを使って発信したり、大阪聴力障害者協会に足を運んで参加していただける方を募りました。良い商品やサービスを開発しても、興味を持って「使ってみたい」と思ってくれる人がいないと、価値がないものと同じことになります。先行体験会を開催して、人を集めることの難しさを実感しました。次回以降は、先行体験会に参加していただいた方とのつながりも活かしながら「コデカケ」をさらに広めていけたらと思いました。


    ──今後の展開について教えてください。

    北角:5月22日から1日体験モニターを京都と大阪で開催します。参加者の方にはコデカケを装着した状態で街中を歩いていただき、使ってみての感想や意見をお聞きします。今回は屋内でしたが、次は屋外での体験となるので、より普段の日常の外出に近い形での体験ができると考えています。公式SNSでも情報を発信していくので、興味がある方は、ぜひ参加していただけたらと思います。


    「後方からの音が聞こえづらく、車や自転車が接近しても気づかない」、「騒がしい場所だと雑音が拡大されて聞こえるので、隣にいる相手との会話が楽しめない」など聴覚障がいがある人は、日常生活のなかであらゆるストレスを抱えながら生活しています。今回の先行体験会は、リアルな反応や声を実際に知れたことで、実用化に向けて、一歩前進する感覚を得ることができました。「コデカケ」が、聴覚障がい者が抱えているストレスを減らすための一助となり、気持ちに余裕を持って「ココロおどるおでかけ」ができる未来が来ることを信じて、引き続き開発に取り組んでいきます。

     



    <関連情報>

    ・聴覚障がい者向け外出支援デバイス/サービス「コデカケ」
    https://gccatapult.panasonic.com/ideas/kodekake.php

    ・コデカケ 公式SNS
    Twitter  https://twitter.com/kodekake_r
    Instagram  https://www.instagram.com/kodekake_r/

    ・GCカタパルトへのお問い合わせはこちらから
    https://peraichi.com/landing_pages/view/gccatapultcontact/

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