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夫婦での主体的な育児参画をサポートするアイデア「COYA」のこれまでとこれから

夫婦での主体的な育児参画をサポートするアイデア「COYA」のこれまでとこれから | くらしビジョナリーコラボスタートアップと、くらしでつながり新しい価値や事業を創出するオープンイノベーション活動

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    こんにちは。育児の悩みや夫婦の課題解決をサポートするサービスのアイデア「COYA(コーヤ)」の三重野です。現在、私たちはパナソニックの新規事業創出活動を通じて、スマートフォンアプリCOYAの実現を目指しています。

    お母さんのストレスや育児状況を共有して、2人で育児に向き合う環境を作る

    COYAGame Changer Catapult(以下、GCカタパルト)のビジネスコンテストに参加しているスマートフォンアプリの新規事業アイデアで、事業化へ向けて私とリーダーの石崎の2人で活動しています。

    このアイデアは、0歳の子どもを持ち、初めての育児に不安を抱えている方をサポートして「夫婦での主体的な育児参画を実現する」ことがテーマ。夫婦ふたりでの育児が当たり前になった現代では、仕事との両立に悩んだり、どちらか片方の負担が増えるなど、本当は楽しいはずの子育てに課題を感じてしまうことがあります。

    そんな課題を解決するためのサービスがCOYAです。アプリを使ってお互いの理想を明確にし、理解を深めることで、夫婦が同じ目線で育児できる社会を目指しています。

    では、どんなサービスかというと、アプリの機能は大きく分けて以下の3つで、

    • ふたりで育児の目指す姿を共有
    • 育児内容、育児ストレスの見える化
    • いつ何をしたらよいか見える化

    具体的には誰が何を担当するのかの見える化、育児分担のグラフ化と共有、育児TODOの自動作成などが可能になる予定です。帰宅が遅くなるお父さんにも、お母さんのストレスや育児状況を共有し正しく状況を理解してもらうことで、夫婦で育児に向き合える環境を作ります。

    きっかけは「父親として認めてもらえない」という自分たちの悩み

    COYAを考案したきっかけは、私たちの実体験にあります。リーダーの石崎は、一昨年第1子が誕生しましたが、帰宅が遅いことが多く、育児になかなか参加できず、パートナー(母親)が孤独を感じてしまったり、自身も「父親として認めてもらえない」と悩みを抱えていました。そうした悩みの解消には、育休取得なども有効ですが、あまり簡単な手段ではありません。そこで、気軽に使用できる身近なサービスとして、スマートフォンで育児状況や夫婦の気持ちなどの情報の見える化と共有ができるアプリがよいと考えました。

    2子ではようやく立ち会え、育休も取得できました!

    単にお悩み相談サービスやスケジュール管理アプリとしなかったのは、これらは原因を取り除くわけではなく、そのときの状態を改善するサービスなので、それでは夫婦の意識の差を埋めるという根本的な解決ができないと感じたからです。

    いつ何をどれだけこなしたか、という育児管理アプリとは違い、COYAは育児参画が目的です。育児内容や心理的な気分、ストレスなどを可視化することで、夫婦の意識の差を埋めるきっかけになります。

    そして、初めての子育てをサポートすることは、少子化という、より大きな社会の課題解決につながります。例えば最初の育児でつまずくと、次の育児への参加が消極的になってしまう可能性があります。そこをCOYAのようなサービスで解決できれば、社会的意義も大きいと感じています。

    そのためにも、夫婦が納得して育児を進められるような、家族の絆を支えるサービスを目指しています。

    「夫が育児を自分事として考えるようになった」実証実験で夫婦の意識や行動が変化

    現在COYAは実証実験中で、サービス内容をブラッシュアップしています。
    実証実験に協力してもらった夫婦からは「夫が育児を自分事として考えてくれた」「夫が自分から育児の話題を出すようになった」「役割分担が明確になり、育児に参加できた」などの声があり、COYAの機能が夫婦の意識や行動の変化につながったと実感しています。継続して使いたいという顧客に対して「どうして使いたいのか」「どの要素にお金を払いたいのか」など、しっかりヒアリングし、本格的な有償検証への移行に進めたいと考えています。

    WEBでのご夫婦へのインタビューを70組ほど実施し、
    本当に何に課題を感じているかをヒアリングしました。

    また、検証を続けることで、別の課題と新しい気付きも見えてきました。課題は、アプリ課金のハードルの高さや、育児と家事の線引きをどうフォローするかなどで、新しい気付きとしては、多くの家庭の父親が「育児に関わりたい」と思っていたことです。「夫婦で仕事と育児を分担したい」とは考えていないのに、ふたりでの育児が実現できない。こうした現状が見えてきました。

    一方、今回協力してもらった夫婦に限らず、社会でも父親の育児参画が加速しています。
    しかし、社会的な活躍と育児の両立を求められる事で、父親も「産後うつ」のような状態になることがあります。そうした「産後うつ」のように、育児に関係する課題は長年解決できていません。私たちも実証実験などを進める中で難しい問題だと再認識しましたが、現在は男性の育児参画が進んだように、意識が変化し、多様化している局面でもあります。なので、このタイミングを逃さずに解決したいと思っています。

    社内で新規事業に取り組める環境があったからこそ挑戦できた

    ターゲットを「初めての育児で0歳の子どもを持つ夫婦」としているCOYAですが、将来的には対象年齢を5歳くらいまで拡大したり、海外にも展開したいです。夫婦ふたりで育児に向き合うという軸がぶれないように開発を進めていきたいです。

    今回紹介した新規事業創出活動ですが、GCカタパルトのビジネスコンテストのように、チャレンジできる場や、自分のアイデアを応援してくれる環境があるのは、とても恵まれていると思います。私たちも、新規事業に挑戦できる制度や風土があったからこそ、このプロジェクトに挑むことができました。これからもアイデアの事業化へ向けて活動を続けます。

    COYAのビジョン:男女関係なく、夫婦2人が安心して育児に向きあえる社会を実現

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