Index
4Kカメラでスポーツの試合をハンズフリーで撮影、その映像を自動編集・配信するプラットフォーム「Spodit」。スポーツを通じて誰もが楽しさや喜びを共有できる社会を実現させたいという思いから考案した「Spodit」の事業ビジョンそして、今後の展望などについてご紹介します。
スポーツ観戦は幸福度を高める!
「Spodit」は、スポーツをすること、観ることが大好きなメンバーが、スポーツの魅力を、より多くの人に知ってほしい、また、様々な制約により観戦ができない人には、テクノロジーを用いてスポーツを楽しんでもらいたいという思いで考案した新規事業アイデアです。 スポーツには人の幸福度を高める効果があるという研究結果 (※1) があります。スポーツを観戦し、応援することにより、①世代を越えた交流 ②感情の表出 ③成長・成功の追体験などが可能です。また、同じチームを応援している人たちは、同じ時間・場所で、同じものについて喜びを感じることにより、「共在感覚」や「所属感」を覚え、結果として幸福度を高めるそうです。
※1 出典:Sport Fans: The Psychology and Social Impact of Spectators(2001 Daniel L. Wann他)
最も根深いスポーツ観戦の課題
ただ現実的には、遠方に住んでいるなどの理由で、試合会場に出向いて他の人たちと一緒に好きなチームの応援ができないという人も少なくありません。また昨今、オンデマンドサービスなどの発達により、自宅やスポーツバーで、観たい試合をライブもしくは録画で視聴出来たり、SNSで遠方にいる人とコミュニケーションしながらリアルタイムで試合を楽しめるなど、観戦手段が進化、充実してきている状況にありますが、カタルシスを感じるには十分とは言えません。 そこで企画当初は、様々な制約によりスポーツの魅力の3要素である「交流」、「感情表出」、「追体験」ができないというペインを、当社の技術で解決することに焦点を当てることにしました。 しかし、熱狂的なスポーツファンへのヒアリングを重ねていくと、プロスポーツの観戦よりも、地域のスポーツチームでプレーする自分の子どもの様子を簡単に観ることができるようにして欲しいという要望が思いのほか多くありました。チームを応援することが基本のプロスポーツ観戦と違い、自分の子どもが、所属するチームの仲間と一緒にプレーするシーンは、その時だけのかけがえのないものです。スポーツを通じて誰もが楽しさや喜びを共有できる社会を実現させるという理念の実現には、このお困りごとに寄り添うべきだと考え、課題の深堀りとソリューションの提案に舵をきることにしました。
保護者のお困りごとはなにか
わが子を応援する保護者が抱える課題は大きく2つあります。1つは、直接試合会場で応援することが難しいという課題です。単身赴任など仕事の事情で観に行けなかったり、兄弟姉妹が違う競技をしていて週末に試合が重なり、夫婦が別々に応援しなければならなかったりするケースなどがあります。 もう1つは、試合会場に行っても応援に集中できないという課題です。実際に試合会場に行くと、多くの保護者がビデオカメラを持って子どもの様子を撮影しています。後から映像を確認し子供の技術向上に役立てたい、子供の頑張る姿を何度も見返したいというのがその理由です。しかし、試合の流れを追いながら撮影することは難しく、なによりレンズ越しでの観戦になり、試合を楽しめないという悩みを抱えておられます。 そして、こうして頑張って撮影した試合映像も見返すのが大変で、結局一度しか見ない、あるいは一度も見ないというのが実状です。長い映像を自身で編集しようと試みても、見返すよりも編集に手間と時間がかかってしまい、断念してしまいます。 保護者へのヒアリングから、試合会場に行けないという課題は、試合の映像さえあれば、ほぼ解決できるということがわかりました。そこで、撮影や映像の編集にまつわる課題を解決することを主眼にしたソリューションの開発を行うことにしました。
Spoditが提供するソリューション
Spoditは、広角カメラ2台によるフィールド全体の撮影と、その映像をAIで自動編集することにより、例えばボールの動きに合わせた試合動画の作成やハイライト動画作成が可能です。カメラを固定してフィールドを全面撮影するので、撮り逃しがなく、手振れする心配もありません。またAIが個人を特定し、選手個人にフォーカスすることもできるので、撮影に追われて試合が楽しめないということもありません。カメラのレンズ越しではなく、自分の目でわが子のプレーを観て、また他の保護者と一緒に応援し、喜びを分かち合うことができるようになります。 作成された動画はサーバーからストリーミング再生されるため、サービス登録者はいつでも好きな時に動画を視聴することができ、共有も簡単です。遠方にいて試合を観戦できない人とも、映像を通して選手の頑張りや成長などを共有できるようになります。特にコロナ禍の今、非常にニーズの大きいサービスであると確信しています。
Spoditの今後の展望
現在いくつかのサッカーのクラブチームからこのサービスを使いたいとの声を頂いています。試合の映像を選手やチームの連携強化に使用したいと考えておられ、Spoditを利用することで撮影する必要がなく、試合に集中できるこのサービスに高い関心を持って頂いています。他にも、スポーツ団体や大会運営者、報道関係者など、様々な方から引き合いがきています。 こういった方々と協力しあいながら、スポーツを通して喜びを共有できる人を増やし、より多くの人の幸福度が高まることに貢献したいと考えています。
映像の確認をする様子
広く親しまれるサービスにするために、地域のスポーツチームのみならず、今後は学校や公共施設にも積極的に紹介していきます。またこのような保護者のお困りごとやニーズは万国共通のことだと思いますので、グローバルでの展開も視野に入れています。 多くの人の喜びをいち早く実現できるように、今後も頑張ってまいります。