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こんにちは。パナソニック株式会社 くらし事業本部 事業開発センターの菊池です。
私はもともと自動車関連の商品開発などを担当しており、2021年10月からパナソニックの新規事業創出活動Game Changer Catapult(以下、GCカタパルト)の代表としてジョインすることになりました。
今回は、エンジニアとしてキャリアをスタートした私が新規事業の創出に関わることになる経緯や、現在の活動内容、GCカタパルトの今後の展望や想いなどをお話しします。
人々の生活を変える商品を。エンジニアとしてキャリアが始まる
パナソニックに入社したのは、子どもの頃から「何かを生み出す仕事がしたい」という想いがあり、中でも生活に密着した家電に関心があったからです。例えば、ロケット打ち上げのニュースなどを見ると、壮大ですごいなと思うのですが、一方、私は人々の暮らしを一変させる身近な商品を生み出したいと考えていました。パナソニックなら、その夢が実現できると思い、入社しました。今でもその気持ちは変わっていません。
入社後は、カーナビやディスプレイオーディオなど自動車関連の商品開発をしました。他にも自社のブランドだけでなくOEM、他社ブランドの製品にも携わってきました。これらは国内だけではなく、世界中で使用される商品なのでやりがいがあり、「言われたことをやる」だけでなく「お客様の期待を上回る」ことの大切さを学んでいきました。
さまざま価値観に触れ、経営者的な視点に興味を持つ
技術者として10年近くキャリアを積んできましたが、その中で大きな転機となったのは携わってきた事業の撤退が決定したことと、新しく関わった商品コンセプトの事業が大きく発展したことです。収益面で課題を抱えていた新規事業で、技術者だけでなく、営業やマーケターなどが垣根を超えてアイデアを出し合っていく中で「経営」という今までになかった観点に興味を持つようになりました。また、経営層がどういった判断材料から撤退という決定を下したのか、また大きく発展した事業との差は何だったのかも知りたいと思いました。
その後、海外でMBAを取得し、その中でグローバルな視点で経営について学ぶ機会を得ました。一年半の間で、海外のトップレベルの方と経営に関する議論をしたり、スタートアップ企業でマーケット・インの事業戦略の立案を推進できたのは、貴重な経験でした。さまざまな場面で短期的ではなく中・長期的な視点で物事を捉え、企業価値を上げることを常に意識しているのが印象的でした。
経営に関する知識だけでなく、グローバルで多様性に富んだ交流は、大きな糧になったと思っています。そして帰国後は、事業開発センターにジョインして現在に至ります。
変革があってこそ向上できる企業価値とは
私は今までの経験から、企業価値を維持、向上させるためには常に事業を変革させ続ける必要がある、と考えるようになりました。どんな会社でも一つの事業だけをずっと続けているわけではなく、新陳代謝を図って成長しています。そんな考えを具現化している場所が、新規事業を創出しているGCカタパルトでした。パナソニックでは、本人の意思を尊重し、挑戦させてくれる風土があります。私の想いを聞き、快く異動を後押ししてくれました。
GCカタパルトでは、新規事業を進めるにあたり社内の他部門との連携や、他社との協業を推進しています。さまざまな人を巻き込み、事業テーマを発展させることで、大きなイノベーションを生み出すことが目的です。
社内にはいろいろな経験を持つ方々が多く、その人脈や経験を生かして取り組んでいますが、大切にしているのはチームメンバーの想いです。既存事業の場合、システマティックな仕組みができていますが、新規事業はゼロから構築していく難しさがあり、それを突破するためには一人ひとりの「これを叶えたい」という理想像、Willが欠かせません。もちろん、自分が信じたことを続けてきた結果として、想定通りに進まないこともあります。でも、そこから学べることも多い。だから私たちは、カタパリスト(※)たちに寄り添いながら進めています。
価値観がアップデートされる。多様性を持つGCカタパルトの強み
GCカタパルトは、幅広い価値観やスキルを持った人々が集まっている組織。プロダクトだけでなく、サービスを提供する新規事業があった際には、お客様の課題解決に向けて、さまざま議論がなされ、大いに刺激を受けました。マネジメントの観点でも、海外の時に経験した、リーダーが役割分担を決めて推進していくだけではなく、役割を超えてすり合わせていくリードの仕方に日本的な良さを感じ、新たな気づきになりました。
現在、GCカタパルトではさまざまな事業テーマが掲げられています。グローバルな展開も視野に入れ、海外との協業を進めているプロジェクトも多くありますが、将来的には海外発信で始まるものがあっても面白いのではないかと考えています。
オープンイノベーションの観点でも、さまざまな企業との協業を進め、自分たちだけでは成し得ない挑戦を増やしていくことが重要です。ステークホルダーが多くなりコンセンサスを取っていく難しさはありますが、その分、事業の可能性が広がり組織としても大きな挑戦となるからです。
私は、新規事業の挑戦を続ける中で改めて多様性の大切さを学びました。GCカタパルトでも多様なメンバーがいますが、全員強みやスキル、視点は異なり、だからこそ視野が広がります。
GCカタパルトは、新規事業に挑戦している仲間が大勢いる特殊な環境。新しい人々が次々と参画してくるため、組織として視座が固まることなく、成長し続けられます。個々で自発的にやっていくのもひとつの方法ですが、チャレンジを集約し確度を高めていく事業開発センターとしての仕組みが機能すると考えています。
また、新規事業を経験したメンバーが、元々在籍していた部署などに戻ることで、新しい価値を生み出す面白さや、やりがいも伝播されます。このようにビジネスコンテストへの参加者を増やしながら、組織を大きくし企業価値の向上や変革に貢献していきたいです。
私たちはこれからも、GCカタパルトを認知してもらうため、さまざま情報を発信していきます。自分が日常生活で感じている課題や、やりたいことがある方は、まずは相談してみてください。最初の一歩さえ踏み出せれば、想いをかなえるためのサポート体制は整っています。