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「寒くて布団から出られない」にさよなら。エアコン一台でお家まるごと快適にするwith air

With Air | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

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    夏は冷房が効きすぎて体調を崩してしまう、冬は室内と廊下の温度差でヒートショックの恐れも......。一年を通じて空調をうまく使いこなせない人は少なくないのではないだろうか。

    この記事を担当したMake New Magazine編集部メンバー(京都在住。賃貸だけど一軒家)も空調に悩まされていた。京都の冬は寒い。なかなか暖房器具の近くから離れられない。ペットのインコも、カゴに取りつけたインコ用ヒーターにぴったりとくっついていて寒そうだ。かといって、夜にエアコンをつけると乾燥する。結果、凍えるように寒い寝室で朝を迎えることになる。

    そんな悩みを解決できるかもしれないのが、2023年10月にリニューアルしたパナソニックの全館空調熱交換気システム「with air」だ。季節や時間に関係なく、お家まるごとつねに快適な温度に保ってくれるという。はたしてどんなシステムなのか、生活者としての実感をもってwith airの担当者に根掘り葉掘り取材。話を聞いて「with airがあるくらし」を考えてみた。

    左から小原さん、中曽根さん | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    今回お話を聞いた、with airの技術担当・小原 大治(おはら ひろはる / 左)と営業担当・中曽根 孝昭(なかそね・たかあき / 右)

    一台のルームエアコンで、お家まるごと心地よい温度に

    ――正直「全館空調」という言葉にあまり聞き馴染みがなく、ホテルや興行施設など公共空間のイメージがあります。「with air」は、どんなソリューションなのでしょうか?

    中曽根簡単に言うと、with airは、エアコン一台で家の中を丸ごと空調できるシステムです。エアコン一台のシステムで35坪から40坪ほどの住宅を隅々まで快適な温度・湿度に保つことができ、さらには空気もきれいにしてくれます。

    全館空調開発営業を担当している、中曽根 孝昭さん | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    全館空調開発営業を担当している、中曽根 孝昭(なかそね・たかあき)
    エアコン一台で家全体に空気を送る図 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    コントローラひとつで部屋全体を調整する図 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    with airの仕組み。空調ユニット内に設置されたエアコン一台で、35坪から40坪ほどの2階建て住宅の居住空間を快適な温度に保つことができる

    ――隅々まで、というとリビングや寝室だけでなく、キッチンや洗面所・脱衣所などもですか?

    中曽根それだけでなく、廊下や玄関なども含めた、本当にすべての空間を24時間・365日、いつでも心地よい状態にコントロールできます。どの部屋にいても、どの時間帯でも一定の温度なので、たとえば「冬の朝に寒くて布団から出られない」ということもなくなると思います。

    ――それはありがたい......!

    中曽根また、お風呂に入る際、脱衣室で寒さに震えながら服を脱ぐこともなくなりますし、熱帯夜で寝苦しくなることもありません。足元の冷えもなくなるので裸足で過ごすこともできますし、雨の日の湿気も気にならなくなります。

    ――雨の日のジメジメとした空気やフローリングがベタベタするのが気にならなくなるのは嬉しいですね。

    中曽根基本的には、外出時もつねに稼働させておくシステムなので、外が暑かったり寒かったりする日でも、帰宅して玄関に入った一歩目から快適な温度で過ごせます。部屋が温まる(冷える)まで我慢しなくていい。これが、全館空調システムのメリットですね。

    ――でも、エアコン一台だけで、そこまでくまなくカバーできるものなのでしょうか?

    中曽根はい、エアコン一台でカバーできます。ただ、全館空調は機器の性能と同じくらい「住宅の性能」も重要で、高気密・高断熱の建物でなければ力を十分に発揮できません。その点、2025年に省エネ法が改正され、より高気密・高断熱で省エネルギーな住宅が増えていくため、それに伴って、今後はさらに全館空調システムのニーズも高まっていくと見ています。

    ちなみに、with airに使われているエアコン自体は、パナソニックの普通のルームエアコンをベースに開発しています。全館空調に対応できるよう、耐久性や制御の部分で手を加えてはいますが、性能は市販されている機種と変わりません。

    空調ユニット内の空気の流れの図 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    with airの空調ユニット内部の仕組み
    空調ユニットを説明する中曽根さんの写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    空調ユニットには全館空調専用のルームエアコンがまるごと一台入っている

    ――つまり、with air用に一からエアコンを開発したり、特別にハイスペックなエアコンを使ったりしているわけではないと。

    中曽根じつは、この「普通のエアコン」をベースにしていることが、with air最大の特徴でもあります。エアコンの寿命は、おおよそ10〜15年です。そのうえでwith air専用の設計にしてしまうと、機器が壊れたときに交換する部品自体の製造が終了している可能性があります。with airは、空調ユニットには普通のエアコンをベースにした全館空調専用のエアコンを入れているので、エアコンが寿命を迎えても通常のものを取り換えるように最新の全館空調専用エアコンに入れ替えることで、with airを長く使い続けることができるんです

    その家に40年、50年と住み続けることを考えれば、簡単に修理や交換ができる設備機器を長くお使いいただけることで、将来的な不安をなくすことが重要だと考えました。

    with airがあるくらしのイラスト | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    お話を聞いて「with airがあるくらし」を考えてみました。家での過ごし方の幅が広がりそうです。

    独自の制御技術で「エアコンをつけっぱなし」が省エネに

    ――with airが家じゅうを快適にしてくれるのはよく理解できたのですが、やはりエネルギー消費については気になります。with airの正式名称は、「全館空調熱交換気システム」なんですよね。この「熱交換気」とは、どういうものですか?

    小原従来の、いわゆる「24時間換気」は、たとえば外気温度が0℃、室内温度が20℃の場合、換気の際に「室内の20℃の空気を外に排出して、室外の0℃の空気を取り入れる」というものです。つまり、どうしても冷たい空気が入ってきてしまうため、エアコンは0℃から空気を暖めなくてはいけません。

    これに対して、「熱交換気」では室内の暖かい空気のエネルギーを利用して、外の冷たい空気を暖めてから取り入れます。本来は換気で逃げる熱を、リサイクルするようなイメージですね。外気温が0℃なら16℃に暖めてから室内へ取り入れるので、エアコンはそこからプラス4℃暖めるだけで室温20℃を保てます。

    一般換気と熱交換気の違いの図 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    一般換気と熱交換気の違い(※1)

    ――エネルギー効率が良さそうですね。

    小原そうなんです。0℃から20℃に上げるのと、16℃から20℃に上げるのとでは、当然ながら後者のほうがエネルギーはかかりません。熱交換式は、非常に省エネルギーな換気方法といえます。

    ソフト開発を担当している、小原 大治 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    ソフト開発を担当している、小原 大治(おはら・ひろはる)

    ――ただ、そうはいっても「エアコンをつけっぱなし」というのは、あまりエコじゃないような......?

    小原じつは、そうとも言い切れないんです。エアコンは初動、つまり設定温度まで室温を上げ下げするために強運転をする際に、最も多くのエネルギーを消費します。そのため、頻繁にオンとオフを繰り返すよりも、効率的な運転でゆっくりゆっくり、つねに動かし続けるほうが省エネになるんです

    新しいモデルのエアコンには室温に応じて自動的にオンオフが切り替わる運転制御機能がついていることが多いですが、最新のwith airではあえて、「エアコンが止まるのを止める」効率的な運転を実現したアルゴリズムを採用しています。これによりwith airの最新モデルは、一つ前のモデルの運転制御と比べて約20%の省エネにつながったというデータもあります。

    従来制御と新制御の消費電力の比較のグラフ | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    測定住宅の仕様:床面積119.25㎡、UA値=0.37W/(㎡・K)、C値=0.4㎠/㎡ 空調面積:全館空調119.25㎡(容積286㎥)、個別空調36.4㎡(容積87.5㎥) 温度条件:室外は6地域の8月平均の代表日。室内設定温度27℃ 使用エアコン:個別空調、全館空調ともに6.3kW相当 ※実験住宅における測定結果であり、保証値ではありません。
    全館空調のメインコントローラ「IAQ(Indoor Air Qualityの略。室内空気質)ポータル」 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    全館空調のメインコントローラ「IAQ(Indoor Air Qualityの略。室内空気質)ポータル」が各部屋の温度とエアコンの吸入温度を把握し、部屋ごとに快適な温度と省エネな運転を指示する

    ――ちなみに、電気代はどれくらいですか?

    中曽根with airの電気料金の試算は年間5万4,953円。1日あたり151円です。夏のピークは7月の8,462円、冬のピークは1月の6,127円です(※2)

    ――正直なところ、エアコンにかかっている毎月の電気料金を把握していないので、あまりピンとこないのですが、それは安いのでしょうか?

    中曽根高いか安いかは何と比較するかにより異なるため、一概には言えません。ただ、すべての部屋にエアコンを設置し、全館空調と同じように稼働させた場合の電気料金は年間で約9万6,000円。with airより4万円以上高くなります(※3)。一方で、すべての部屋にエアコンを設置し、人がいる部屋だけ運転させた場合は年間で約3万8,000円。1日あたり104円です(※4)

    ――1日50円の違いで、いつでも部屋が心地いい状態に保たれる......!

    中曽根そうですね。全館空調があれば、冬の朝の寒さや、夏のじめっとした暑さに耐えることはなくなります。我慢をせず、ストレスを感じることなく過ごせることの価値を、どう捉えていただくかだと思います。

    ――ほかに、with airならではの機能はありますか?

    中曽根with airは「冷房・暖房」と「熱交換気」に加え、「空気清浄」と「除湿(湿度制御)」「加湿(加湿ユニット ※オプション)」という機能が一つになっています。本来は、空気清浄機や加湿器といった個別の機械が必要になるところを、空調ユニットのみでまかなうことができる。空調だけでなく空質にまでこだわっているのが、with airの大きな特徴です

    ――温度だけでなく、すべての部屋の空気も自動的に綺麗にしてくれるということですか?

    中曽根はい、2種類のフィルターがすべての部屋の空気の汚れを浄化します。外から持ち込んだ花粉や外気の汚れ、家の中で発生したハウスダストも速やかにろ過するので、家じゅうに澄んだ空気が行き渡るんです。

    ちなみに、きれいな空気が循環していると、ホコリも立ちません。あまり掃除をしない場所でもホコリが溜まらないので、家事をラクにしてくれる側面もあると思います。

    ――助かります......。フィルターのメンテナンスは、どれくらいの頻度でやればいいのでしょうか?

    中曽根2種類のフィルターのうち空調ユニット内にある「HEPAフィルター」の方は、6か月に1回程度の掃除で問題ありません。エアコンも掃除機能付きですので、こちらも半年に1度のお手入れでOKです。フィルターもエアコンもすぐに手が届く高さにあるので、メンテナンスもラクだと思います。

    HEPAフィルターの写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    空気の汚れを浄化するHEPAフィルター
    お気に入りのインテリアを楽しむイラスト | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    お話を聞いて「with airがあるくらし」を考えてみました。お気に入りのインテリアや雑貨にホコリが溜まりにくいのはとてもありがたいです。

    空気の質にこだわって、空調の未来を

    ――with airは今後も進化していくのでしょうか?

    中曽根進化させていきたいと思っています。私たちがこだわる「空質7要素(※)」をさらに追求し、「空気の質」をwith airで制御できるようにしたいと考えています。

    ※パナソニックは「IAQ = Indoor Air Quality = 室内空気質」を7つの空質要素(温度・湿度・清浄度・気流・除菌・脱臭・香り)の7要素に分類。これらの要素を自在にブレンドすることで、さまざまな空間に対応したIAQの提供を目指している

    中曽根現時点でハードルが高いのは「脱臭」と「香り」つまり、においの要素ですね。全館空調は家の中の空気をぐるぐる回す仕組みなので、においも全体に行き渡ってしまいます。たとえば、キッチンでつくっている料理のにおいが、各部屋に伝わってしまうこともあるんです。だからこそ、7つの空質要素にこだわってwith airを進化させていきたいと思っています。

    パナソニックにはキッチンについているレンジフードや「ジアイーノ」など、単体で排気や脱臭ができる機器はそろっています。今後は脱臭や除菌といったところも含めて、空質7要素すべてを兼ね備えた全館空調のフラグシップとしてwith airを進化させていきたいと考えています

    取材中の小原さんと中曽根さんの写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    ――ただ、そこまで進化させるときっとそれなりの価格になりますよね?若い人には夢のまた夢かもしれませんが、自分のくらしにwith airがあったらいいなと思います。

    中曽根空質7要素を追求したフラッグシップモデルとは別に、多くの人が導入しやすいモデルなども検討しながら、幅広い層に快適な空気を届けていきたいと思います。

    身軽に引っ越せて初日から家じゅう快適に過ごせる様子の写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    お話を聞いて妄想した「ちょっと未来のくらし」。身軽に引っ越せて初日から家じゅう快適に過ごせると最高だと思いました。

    ――さまざまな可能性がありそうですね。最後に、今後の展望を教えてください。

    小原IAQポータルにはソフトウェア更新機能を搭載しているため、今後もシステムをアップデートすることができます。例えば、就寝時や起床時に最適な温度や湿度を提供する機能を追加するなど、お客さまに新しい価値を提供していきたいです。

    中曽根私は、「くらしは空気で変えられる」と考えています。上質で澄んだ空気が家じゅうに行き渡り、家族一人ひとりに寄り添い、くらしを見守る。これから先、お客さまがずっと自分の家でくらしていくために、冷暖房機能だけじゃない全館空質空調という新しい分野を広めていきたいと思います。

    ※1 交換率は機種によって異なる / 全熱交換素子:換気装置に組み込み、外気と屋内空気を入れ替える際に熱交換を行なうための部材

    ※2 想定地域 6地域、室温27℃(冷房時)、20℃(暖房時) /住戸面積119.25㎡(UA値=0.37W/(㎡・K)、C値=0.4㎠/㎡)/6地域の気象データに基づく外気条件で消費電力量を測定し、電気料金を試算/電力単価31円/kWhで計算/電力量、電気料金は実験結果に基づく試算値であり、保証値ではありません

    ※3 ※2の条件下にて実施。全館空調と同等の運転パターンを設定/非居室以外を24 時間空調/5 月、10 月も冷房にて運転

    ※4 ※2の条件下にて実施。LDKLDK:24 時間空調/居室2~4:WEB プロの冷房時と同じ運転パターンを設定(暖房期、就寝時もエアコン運転)/5 月、10 月も冷房にて運転

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    全館空調熱交換気システム「ウイズエアー」 | 空調・換気 | Panasonic

    くらしは、空気で変えられる。パナソニックの全館空調熱交換気システム「ウイズエアー」。

    Profile

    中曽根 孝昭さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    中曽根 孝昭(なかそね・たかあき)

    パナソニック株式会社 空質空調社 住宅システム機器事業部 日本事業ビジネスユニット 全館空調開発営業部
    1993年入社。ファンの要素研究開発、換気空質機器および全館空調機器の設計開発に従事し、エアイー、with airなどを手がけている。2022年11月より全館空調開発営業に在籍。

    私のMake New|Make New「IAQ life」
    冷やすだけ、暖めるだけではない、上質な空気に満ちあふれた新生活をご提案していく。


    小原 大治さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    小原 大治(おはら・ひろはる)

    パナソニック株式会社 空質空調社 グローバルプラットフォーム開発センター ソフト開発一部
    2007年キャリア入社。社内向け生産設備開発や蓄電池システムの新規事業開発などの経験を経て、エレクトリックワークス社にて空質空調分野における次世代コントローラの設計・開発を担当。2021年よりシステム開発リーダーとしてwith airを中心に空質空調システムのプロジェクトマネジメント業務に従事。

    私のMake New|Make New「Relationship」
    お客さまの潜在価値を引き出し、満足度の高い商品やサービスをより長くご利用いただけるようにお客さまと新たな関係性を築いていきたいです。

    • 取材・執筆:榎並紀行(やじろべえ)
    • 撮影:原祥子
    • 編集:MNM編集部、服部桃子(CINRA)

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