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地元の生活を盛り上げたい。ビッグクラブ「ガンバ大阪」の継続と挑戦を、東口選手とホームタウン推進課の河合さんに訊いた

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    ガンバ大阪で10年間ゴールマウスを守り続けてきた東口 順昭選手に、ガンバ大阪というクラブの偉大さ、そして、ご自身のキャリアやプロサッカー選手という仕事の特殊な世界について伺ってきました。株式会社ガンバ大阪 顧客創造部 ホームタウン推進課の河合 直輝さんも交えながら、クラブ×地域でどんな取り組みをされているかのお話をいただきました。

    ガンバ大阪というビッグクラブ

    ――東口選手は、ガンバ大阪というクラブの魅力は、どこにあると考えていますか?

    東口まず、僕はガンバ大阪を「ビッグクラブ」だと思っています。実際「ガンバ大阪」って言うとどこでも通じますよね。魅力も何も、日本を代表するクラブだと思っています。誰に聞いても「ああ、あのガンバ大阪ね」となりますし、僕自身「ガンバの東口」として覚えてもらっていることが多いです。あとは、自分の地元ですし、ここまで育ててもらった感謝もあります。だからこそ、10年以上このクラブでやってきて、数々のタイトルも経験させてもらえました。「与えてもらった」という感覚がとても強くて、このビッグクラブ「ガンバ大阪」でもう一度もっと上に行きたいという気持ちは誰よりも持っています

    ガンバ大阪のゴールキーパー、東口 順昭選手 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    ガンバ大阪のゴールキーパー、東口 順昭選手

    ――ここ、パナソニックスタジアム吹田は特別なスタジアムですか?

    東口そうですね、外から見てもとてもかっこいいですし、観客席とピッチも近いし、特別感を強く感じます。サポーターの圧を近くで感じることができるので、試合の時はすごい後押しになりますね。コロナ明けに初めて観客席にサポーターが戻ってきた時は、雰囲気が圧倒的に違うのを感じましたね。無観客試合は人がいない寂しさから、どうしても練習試合っぽい感覚がありました。ただ、このスタジアムをサポーターが埋め尽くしていると、最後の1歩走れるし、難しいシュートも止められるし、なぜだか、いつもの自分以上のパワーが出るんですよね

    ガンバ大阪のゴールキーパー、東口 順昭選手 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    東口スタジアムの環境も抜群ですよね。アクセスに関しては...新幹線もあるし、空港も近いし、高速もすぐあるし、すぐ近くに百貨店もあるのに、住宅街なので静かです。他のチームの人が来たら「こんないいところない」って驚いています。

    ――株式会社ガンバ大阪の河合さんは、どうですか?

    河合スタジアムがある万博公園の中には、商業施設や大阪大学病院がありますし、自然も豊かで日本を象徴する太陽の塔もあります。世界的に見てもすごいロケーションのスタジアムだと自負しております。

    株式会社ガンバ大阪 顧客創造部 ホームタウン推進課の河合 直輝さん | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    株式会社ガンバ大阪 顧客創造部 ホームタウン推進課の河合 直輝さん

    試行錯誤の今シーズン

    ――今シーズンの序盤、ものすごく苦しい戦いを経験されたと思うのですが、どうでしたか?

    東口やっぱり勝てないというのは、なかなか自信を失います。次の試合にも、日々の練習にも、なんなら普段の生活にもすごい影響してきますね。何をやっても楽しくないし、思い切ったことができなくなる。ただ、そういう中で僕らも監督もみんなで試行錯誤して乗り越えてきたシーズンかなと思います。苦しい思いをして掴んだものだからこそ、確固たる自信になっていきます。もがき苦しんだ結果、何をしたらあかんか、何をした方がいいのかの選別がはっきりしてきてから、結果も安定してきました

    ガンバ大阪のゴールキーパー、東口 順昭選手 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    ――河合さんは、長年フロント職員という立場でガンバ大阪の運営に携わっておられますよね。株式会社ガンバ大阪という会社視点では、どんな戦いをされてきましたか?

    河合僕は裏方なので、やることは毎シーズン変わりません。とにかくチームのために準備して、1人でも多くのお客様を地域から集めることを頑張ります。とにかく、各ご家庭で「今日は勝った負けた」と盛り上がってくれたらいいなという想いでやっています。東口選手の前で言うのもあれですけど、負けが続いた時は、もう毎日のように「負けちゃってすいません」って地域を廻って頭下げるんです(笑)。ただ、最後は必ず「またスタジアムお越しくださいね」で終えるようにしています。チケット販売やファンクラブとの連携などお客様とのコミュニケーションを通じて、地域とのいい繋がりを切らさないように取り組んでいます

    東口アウェイの試合に行く時に、会社の人が総出でお見送りしてくれるんですね。 もう負けが続いてた時の顔は怖かったですよ(笑)。「そろそろ勝ってこいよ」という圧をものすごく感じます(笑)。

    ガンバ大阪は地元に何を与えられるか

    ――地域とはどんな関わり方をされていますか?

    河合今年6月に高槻市と豊中市で「ふれあい活動」という小学校訪問の授業をさせていただきました。コロナもあったので実に4年ぶりです。東口選手にも来てもらいました。

    東口やっぱり子どもの元気な姿やサッカーに興味を持ってくれている姿を見るとうれしいですよね。「週末、試合見に行ったで」とか無邪気に話してくれますし、こんな風に選手を身近に感じる機会を増やしていけば、ガンバ大阪やサッカー自体に興味を持つ子がもっともっと増えていきますよね。僕が子どもの頃なんて、プロの選手と会う機会なんてめったになくて、漠然とした憧れでしかなかったですから。

    ガンバ大阪のゴールキーパー、東口 順昭選手 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    河合他には、精神障がい者の社会参画を目的としたサッカー大会を開催させてもらったりもしています。あとは浪速少年院という茨木の少年院にも現役の選手に訪問してもらって、在院生への社会復帰の一助になれればとの思いで、ふれあいサッカーを実施させていただいています。

    ――在院生と選手とで、みんなでボールを蹴るんですよね?サッカーならではの取り組みですね。ピッチ上では、生まれも育ちも関係なくみんな対等ですし、なにより1つのボールにその場に集まった22人が一緒に夢中になれる。そんな言葉では言い表せない「つながり」があるのかなと思いました。スポーツなので言葉でのコミュニケーションよりもハードルが低いのもポイントなのかもしれませんね。

    河合そうなんです。私たちの仕事はもちろん、勝利を目標に90分間ピッチで試合をする選手たちを支えていくことです。ただ、「クラブ」という単位で私たちが地域にとってどんな存在かを考えてみることも大事です。サッカーを通じた社会との関わりだったり、サッカーを通じて子どもに夢を与えたり。「ああいう選手になりたいな」という目標を持つことで、人生が充実していく。家族や地域がサッカーでつながっていく。そうやって、地域の生活をクラブが盛り上げていけたらなと思っています。それはもうガンバ大阪だけじゃありません。全てのクラブの役割だろうと私は思っています

    株式会社ガンバ大阪 顧客創造部 ホームタウン推進課の河合 直輝さん | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    ――先日、スタジアムでキャンプする取り組みもありました。選手が関わらないところでも、クラブ単位でいろいろやっているんですか?

    河合シーズン中はいろんなプレッシャーがある中で戦ってもらわなければいけないので、全部が全部、選手に負担を強いるわけにはいきません。クラブの中でできることや選手やOB会の協力ももらいながら、いろいろな活動を進めています。ただ、いっぱいやればいいという量の話ではなくて、一つひとつのイベントを一人ひとりの子どもの心に訴えられるものにしていかないといけません。最終的に、「ガンバがあってよかったな」と思いながらこの地域で育っていく。そんな記憶に残るイベントができたらなと思っています。

    ――逆にそういったピッチ以外の活動を通して、東口選手が何かを発見したり、感じたりすることってあったりしますか?

    東口自分の子どもも、その周りの子も、あっちの公園でも、こっちの公園でもサッカーをしている子がたくさんいるわけで、改めて「見本にならなきゃな」と強く感じます。多分この子たちは、このスタジアムで試合を見て色々感じて帰ると思うんですけど、その子たちの将来にとって少しでもポジティブなものを感じ取ってもらえるために、自分の行動も素敵なものにしていけたらと思っています

    ――お二人のお話を伺って、サッカーで地域をつなげていく。そこにガンバ大阪はチャレンジしているのだなと感じました。日々、感動や興奮、勝利の歓びをご家庭に届けるのもそうですし、イベントで子どもたちに夢を与えたり、社会と関わる機会をつくったりもしています。また、同時に地域のサポーターや子どもたちをリアルに感じることが、選手たち自身のモチベーションにもなっているようにも感じます。
    クラブを通じて地域の人たちがつながり、逆に地域の人たちの存在が選手やクラブのエネルギーになる。その循環がうまく回ってガンバ大阪をビッグクラブとして強めていっているのだなと感じました。

    次回「結果の世界にしかないものを。ガンバ大阪GK東口選手が語る、スポーツの進化と本質。」では、東口選手にご自身のキャリアやプロサッカー選手という仕事の特殊な世界観について伺います。

    Profile

    東口 順昭選手のプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    東口 順昭(ひがしぐち・まさあき)

    大阪府高槻市出身。ガンバ大阪Jrユース出身、2009年~2013年アルビレックス新潟、2014年~ガンバ大阪、2010年Jリーグ初出場。国際Aマッチ8試合出場、2007年ユニバーシアードバンコク大会5位、2015年AFCアジアカップ(オーストラリア)4位、2017年EAFE選手権準優勝、2018年FIFAワールドカップ(ロシア)ベスト16、2019年AFCアジアカップ(UEA)準優勝。

    わたしのMake New|Make New「GAMBA」


    河合 直輝さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    河合 直輝(かわい・なおき)

    株式会社ガンバ大阪 顧客創造部 ホームタウン推進課 課長。
    大阪府出身。1995年4月ガンバ大阪ユース入団。ガンバ大阪とは学生時代から関係が深かった。98年4月阪南大学サッカー部入部。その後、広告代理店で社会人経験を積み、04年5月より地元のサッカークラブにてサッカー指導者に。08年2月より、株式会社ガンバ大阪入社。そこから15年間、ガンバ大阪一筋でともに戦ってきた。

    わたしのMake New|Make New「GAMBA WIN」

    • 取材・執筆:松木啓(DE)
    • 撮影:原祥子
    • 編集:MNM編集部、松木啓(DE)

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