世界の人口は80億人を越え、2080年代には100億人を超えるといわれている中で、考えなくてはいけないのが「食の未来」。既に居住可能な土地の半分近くは農業に使われていたり、人間の活動による温室効果ガス排出の1/4は食料に由来していたりと、このままでは今ある食の生活がいつか限界を迎えてしまうかもしれません。
今後の人口増加に伴う食料需要の増加に応えながら、おいしく健康に食べ続けられる「食の未来」に向けて私たちはどんなことができるでしょうか。
わたしたちが直面する食の課題を解決するためには、その課題だけではなく、その課題を取り巻く環境や、他の社会課題とのつながりを理解する必要があります。
そこで本記事では、そのつながりやどんな課題解決が求められるのかをイラストにまとめました。後半では、調理家電をはじめさまざまなソリューションを通じて豊かな「食の未来」を目指すパナソニックが取り組む、具体的なアクションを紹介します。
Index
イラストで読む、食の課題
具体的には、どんな取り組みがある?
イラストの最後で、食の課題を解決するためのアクションの例を紹介しました。じつは、パナソニックの事業の中にも、食の社会課題を解決するための取り組みがあります。パナソニックで事業化に向けて進めている新規事業やプロジェクトの事例をご紹介します。
事例①昆虫で動物性タンパク質を代替するソリューション「Nutrosect」
「Nutrosect」は、タンパク質やビタミン、アミノ酸を多く含み、栄養価が高いアメリカミズアブを、食糧・医療・農漁業・工業などに幅広く活用していくプロジェクトです。
アメリカミズアブの幼虫の粉末を使った高機能ペットフードの開発からスタートし、家畜や水産養殖向けの飼料の代替など、さまざまな可能性を追求しています。
事例②環境負荷の少ない植物性ミルク「Earth MILK」
「Earth MILK」は、乳牛を育てるのと比べて環境負荷が少ないオーツ麦と酵素から植物性ミルクを家庭で作れるようにするプロジェクトです。
ミルクと違って、粉で輸送するので運ぶ量を減らすことができ、容器の廃棄量も少なくなります。また、必要な時に必要な分だけミルクを作ればいいので、無駄を減らせます。
事例③手軽にレトルト食品を作れる調理機「達人釜」
「達人釜」は、大型の設備や免許なしで、オリジナルのレトルト食品を手軽に作れる小型高温高圧調理機です。
通常の流通に乗りづらい規格外の野菜を使ったレトルト食品の開発や、地域特産品、レストランの通販用商品など、幅広い用途で使われています。旬の農産物をレトルト食品加工することで供給を安定させたり、常温での保管や配送を可能にして、冷凍・冷蔵にかかるエネルギーを節約できたりします。
事例④冷蔵庫から生まれた新しい乾燥技術「常圧凍結乾燥」
「常圧凍結乾燥」は、冷蔵庫の長年の課題だった、冷凍庫内に保存した食品が乾燥してしまうことをポジティブに活用した技術です。
この技術を使って、食品を長期間保存できるようにしたり、ほかの乾燥方法では失われてしまっていた「食品本来の香り」を保ち、「みずみずしい食感」を作り出すことができます。
事例⑤家庭での生ごみを減量化する機器「乾燥式生ごみ処理機」
「乾燥式生ごみ処理機」は、生ごみに温風を送り水分を飛ばして乾燥させることで、ごみの質量を1/5に減量化できる機器です。
家庭用で、実際に使った方からは「生ごみの臭いがなくなった」「ごみ出しが楽になった」「生ごみを有機質肥料に使えるようになった」といった声がありました。
ここまでパナソニックが取り組む5つの事例を紹介しました。このような一つひとつのアクションの積み重ねが、他の社会課題からの影響など、さまざまな要因を持つ食の課題の解決につながっていくと考えています。
あなたの周りではどんなアクションがおこなわれていますか。あなた自身はどんなアクションを起こしてみたいですか。イラストを通じてみえた食の課題が、「食の未来」を考えるきっかけになれたら嬉しいです。