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楽しいはずの休日に後ろめたさを感じてしまうのはなぜ? 脳科学と幸福学の観点から考えてみた

楽しいはずの休日に後ろめたさを感じてしまうのはなぜ? | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

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    くらしの中でも「休みの日」は多くの日がワクワクするものです。一方で、限られた休みの日にはいろいろと勉強もしたいけど、思いっきり趣味に時間を費やしたい気持ちもある、どちらを優先するのか迷ったり、周りと比べて焦ったりした経験があるのではないでしょうか。自分が最も幸せでいられる「休み」を形作るには、どうやってそのバランスを取ったらよいのか?休日はサーフィンをするのが好きな編集部メンバーが幸福学、ウェルビーイングの研究者である前野隆司さんと一緒に考えてみました。

    休日を趣味に費やしたときの後ろめたさ、どうしたら解消できる?

    私は毎週末、サーフィンなどのアウトドア活動に没頭しています。それはそれでとても充実した時間なのですが、最近「仕事が休みの日に、こんなに遊んでばかりいて大丈夫かな?」とモヤモヤすることが増えてきました。

    私の周りには仕事のため、また未来の自分のために、休日も資格の勉強をしていたり、何らかの講座やセミナーに参加していたりと、自己研鑽(けんさん)に励んでいる人が数多くいます。そんな人たちの話を聞いたりすると「私も見習って、スキルアップに努めていかなきゃ」という気持ちが湧いてきます。

    ただ、いざ休みの日に勉強しようとしても、なかなか集中できず、ついつい趣味などのやりたいことを優先してしまいます。「リフレッシュのための趣味」と「将来のための自己研鑽」のバランスをもっとうまく取っていきたいのに、なかなかできない――そんな心のつかえがあるからか、遊んでいることに少し後ろめたさを感じてしまうのです。

    このモヤモヤを晴らすために「休みの捉え方、上手な過ごし方」を探求したいという思いから、今回は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さんのもとを訪ねました。

    前野さんは社会システムデザインやウェルビーイングの研究に従事しながら、脳神経科学・ロボット工学・認知心理学などの要素をかけ合わせて、人が幸せを感じるメカニズムを探る「幸福学」についての書籍を数多く執筆されています。

    そんな前野さんと一緒に「自分らしい、幸せな休みの過ごし方」を考えてみたら、話の内容は「休みの捉え方」に留まらず、仕事を含めた「自分の"やること"の捉え方」に広がっていって......。

    予想外の方向に転がった対話でしたが、私のように「もっとうまく休みを充実させたい」と感じている方には、きっと参考になると思います。ぜひ、ご覧ください。

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    編集部前野さん、よろしくお願いします。今日は「幸せな休み方」をテーマに、いろいろとお話を伺いたいと思っています。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野 隆司さん(以下、前野)

    はい、よろしくお願いします。なるほど、「休み方」に着目されているんですね。

    前野さんの取材中の写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    お話を聞かせていただいた慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さん

    編集部私は今、休みの日はサーフィンなどのアウトドア活動に費やすことが多いのですが、もっと仕事のためのインプットを含めた自己研鑽もしていかなきゃ、とも感じていて。ただ、なかなか思うように「趣味」と「自己研鑽」のバランスが取れなくて、モヤモヤしていてます。

    今日の取材では、私のように休みの時間の使い方について悩んでいる人が、心おきなく休日を楽しめるようになるためのヒントを、ぜひ前野さんからもらえたらと思っています。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    サーフィン、素敵ですね。僕も昔やっていたんですよ。サーフィン、好きですか?

    編集部はい、大好きです。海にいるときはいろいろなことから解放されて、心がスッキリします。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    そうですよね。休みとは疲れを取るのに必要な行為であり、疲れの種類は大きく2種類に分けられると思います。ひとつは「身体の疲れ」。これは、単純に休養を取れば回復します。もうひとつは「心の疲れ」。こちらは、ストレスを受けて心、すなわち脳が疲れている状態で、回復させるには「好きなことをする」のが一番です。

    編集部つまり、私が好きなサーフィンばかりやってしまうのは、それだけ心の疲れが溜まっているから、とも言えるのでしょうか?

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    そうかもしれませんね。そもそも「好きなことをとことんやる」のはシンプルに大事なことですし、そこを我慢したり制限したりする方向で考えると、結局は「好きなことが全然できないな......」と別のモヤモヤが膨らんでしまうでしょう。

    それよりも、普段の仕事やくらしで「心の疲れ」を生み出している要素を取り除いていったほうが、あなたの「休み方」についてのモヤモヤは解消されていくのではないかな、と感じますよ。

    どうでしょう、業務の一環であるこの場で本音は言いにくいかもしれませんが(笑)、心が疲れるような仕事の仕方をしていたりしませんか?

    編集部そうですね......今の仕事は好きですし、とてもやりがいを感じています。ただ、最近異動したこともあって、思うように業務を進められない自分にやきもきして、気づかないうちに心の疲れが溜まっていたかもしれません。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    健やかな休みのために、なるべくストレスを感じない「仕事の捉え方」について、少し考えを掘り下げてみましょうか。

    編集部はい、ありがとうございます。えっと、かなり想定外の方向に話が進んでいて、正直少し焦っております(笑)。

    「やらなきゃ」を「やるぞ!」に変えていくには

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    「ストレスを感じる仕事」と「ストレスを感じない仕事」の差って、どこにあると思いますか?

    編集部なんだろう......キツいとか、うまくいかないとか、そういうネガティブな要素の多さ、でしょうか。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    それを、ちょっとサーフィンのパターンで考えてみましょうか。体力的に疲れてきたときや、うまく波に乗れなかったときに、ストレスって感じます?

    編集部あ、言われてみると、そこまで感じないですね。夢中になっていると体力的な疲れはそこまで気にならないし、失敗しても「またトライするぞ」って、前向きな気持ちでいられます。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    そうですよね。やりたいことに、自分の意志で向き合っていれば、うまくいかないこと自体はあまりストレスにならない。あることにストレスを感じるかどうかは、「主体性」の有無に大きく関わってくるんですよ。

    いくら好きなサーフィンでも、誰かに「今から3時間波に乗り続けろ」と命令されたら、どう感じます?

    編集部それはイヤですね(笑)

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    好きなことでも「やらされ感」が強まると、ストレスにつながりやすくなる。つまり、「やらされ感」を取り除いて、「やるぞ!」と思える主体的な行動にしていくことが重要なんです。

    編集部言われてみると、仕事で思い当たる節はあります。部署が変わって、覚えなきゃいけないこと、慣れなきゃいけないことが増えて、やりたい仕事であるはずなのに、最近は少し「やらされ感」が膨らんでいたのかもしれません。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    今、「覚えなきゃ」「慣れなきゃ」という言葉を使いましたね。ちょっと極論っぽく聞こえるかもしれませんが、仕事に限らず「やらなきゃいけないこと」なんて、本来ないんですよ。

    編集部それは、どういうことでしょうか?

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    僕の大学の仕事でいうと、テストの採点なんかは単調な作業ですごくつまらないんですよ(笑)。ただこれも「学生たちの未来にかかわる大事なこと、やりがいのある仕事だ」と捉える、というか思い込むと、向き合い方が変わってきます。

    どんなことでも、自分の意志でやっていないと感じていると、それは「やらなきゃいけないこと」になる。自分自身がやりたいと感じられれば、それは「やりたいこと」になる。つまり、気の持ちようなんです。

    前野さんの著書「幸せのメカニズム」の写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    もちろん、そもそもの仕事の内容が希望と完全にズレていたり、どう考えても「やりたい」に変えられないケースもあるでしょう。そうなると「環境を変えようか」という話になりますが、あなたの場合は違うんですよね?

    編集部はい、そこは間違いなく。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    上司に「これをやって」と指示されることもあるとは思いますが、結果を出せるのなら、もっと主体的に取り組める別のアプローチを取ってもいいんですよ。そういう提案を、上司は待っているかもしれませんしね。

    つまり、仕事における「こうしなきゃ、ああしなきゃ」という捉え方は、多くの場合、思い込みでしかないと言えます。まあ、突き詰めていくと「こうしたい、ああしたい!」という気持ちも、思い込みなんですが(笑)。どうせ同じ思い込みならば、後者のように主体的に捉えられたほうが、心も疲れないし、生産性も上がります。

    編集部たしかに「やらなきゃいけない」を「やりたい」に自らの意志で変えていけたら、とても幸せですね。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    そう思えるように練習していけば、あらゆることがサーフィンのように捉えられるようになって、最終的には「仕事」と「休み」の区別すらなくなってきますよ。

    「休みにやること」のバランス、無理に考えなくてもいい?

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    あなたはサーフィンを「趣味」と捉えて、勉強などの「自己研鑽」と分けて考えていましたね。僕は、サーフィンも立派な自己研鑽になると思います。

    編集部えっ、そうなんでしょうか......?

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    大きく捉えれば「ある行為を何度も繰り返し練習して習得していくこと」にトライしているわけで、確実に分析力や忍耐力が培えますよね。気分が乗り切らない状態で勉強するよりも、よっぽど人間的に成長しているはずです。

    要するに「主体性を持って何かに本気で打ち込むこと」は、本質的にすべて自己研鑽になるんです。勉強がしたい人はすればいいし、サーフィンがしたい人は波に乗ればいい。

    前野さんの取材中の写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    編集部バランスなどを考えて無理にほかのことをしなくてもいい、と。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    本当に必要なときが来たら、自然とやるようになりますから。そのタイミングが来ていないうちから、あれもこれもと焦る必要はないんです。

    編集部そうですね......「焦らなくていい」という言葉にすごく安心しました。私が趣味に没頭している間に、周りの人たちは勉強していて、置いていかれてしまうのではないかと、不安に感じることが多かったので。

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    前野

    僕も若いころに他人と比べてモヤモヤすることは、度々ありました。でもね、これも本当に気の持ちようで、気にするだけ損というか。勉強していた人たちは、逆にあなたの様子を見て「うらやましいな」って思ってるかもしれない。

    他人と比較してもしょうがないと心のどこかで分かっていながらも、比べてしまう。これも、その「比べてしまう」根本の原因を見つめて、対処できるといいですね......どんどん休みの話からは遠ざかっている気がしなくもないけど、大丈夫ですか?(笑)

    編集部大丈夫です!(笑) 幸せな休みを過ごすために「周りの休み方を気にしない」というのは、大事な要素だと感じています。自分の休み方を他人と比べて焦ったり落ち込んだりしないためには、どうしたらよいのでしょうか?

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    前野

    最も効果的なのは「何かで一流になって、自信を得ること」です。確固たる自信がついて、周りからも認められるようになると、比較による葛藤は起こらなくなってきます一流とまではいかずとも、今いる組織やコミュニティにおいて、自分の個性や強みが発揮できる範囲で「私だからこそできること」が見つかるといいですね。

    編集部一流になる、ですか......。

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    前野

    みんな最初は平凡で、同じように悩みますよ。けれども、仕事で自信を得るパターンはひとつしかないです。与えられたことをコツコツやって、ちょっとずつ好きになって、得意になっていって、だんだん認められて、もっと好きになって、もっと得意になって----と、このサイクルを回すこと。

    できるから好きになるし、得意になっていく。そこまで続けるには「やりたい」という気持ちが大事。やりたくないことを続けるのはキツいですから。ここでも結局「主体性が重要」という話に戻ってきますね。

    自信を得るのに近道はありませんから、若いうちに焦るのはしょうがないこと。ただ、近道はない代わりに、それは全員に確実に開かれている道でもあります。向き合い方を工夫すれば、「やりたいなあ」「やるぞ!」という気持ちは、いつでも取り戻せるはずです。

    前野さんの取材中の写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    編集部心の余裕がなくなってくると、やりたいことをやっているはずなのに「やりたい」という気持ちを忘れてしまいがちになるなと思います。そういうシーンで主体性を取り戻すために、何かすぐにできそうなことはあるでしょうか?

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    前野

    今やっていることについて、「誰のためになっているのか?」「どんな明るい世界、未来につながるのか?」「私のやりがいとリンクするのはどういう要素か?」といったことを、ひたすら紙に書き出してみましょう

    頭の中だけで考えようとすると「仕事、つまらない、以上」と短絡的に収束してしまいがちです。一旦バーっと思いつくことを書き出して俯瞰してみると、いろんな角度から見直せると思います。

    「ここは学生のときにやったあの経験が生かせそうだな」とか、「これとこれは組み合わせると、面白いことができるかもしれない」とか、書いていくうちに気持ちが乗ってくる部分がきっとありますよ。

    編集部そうやって思考の棚卸しをしていくと「そもそも、自分が何をしたくてこの会社に入ったのか」「自分は仕事の中で何をしているときが楽しいのか」といったことを、思い出しやすくなりそうです。

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    あとは、忙しさで視野が狭くなっているときにこそ、メインのフィールドから離れた環境に飛び込んで、地域のボランティアやNPOの手伝いなどをしてみるのもオススメです。

    利他的な活動は、どんなに小さいことでも「誰かの役に立てている」という自信の支えになってくれます。また、普段とまったく違うコミュニティに入ると、それまで意識できていなかった自分の強みに気づけたりもしますしね。

    視野を広げて丁寧に過去を振り返ってみれば、どんな経験も無駄にならないこと、どんな仕事でも誰かの役に立っていることに気がつけるはず。今できていないことに囚われて焦りすぎずに、コツコツ積み重ねていきましょう。

    編集部前野さんにお話を聞けたことで、あらゆる物事に対する向き合い方をいい方向に変えていけそうだな、と感じています。今日は本当にありがとうございました!

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア
    前野

    そう思ってもらえたのならよかったです。応援していますよ!

    休みでも、仕事でも、くらしのすべてに「主体性」を

    正直、「休み方」を切り口にした取材で、ここまで話題が広がるとは思ってもみませんでした。想定外の展開に焦りましたが、前野さんが私のモヤモヤの本質を見定めて話をしてくれたおかげで、休み方だけに留まらない「生き方」の指針のヒントをたくさんいただけたなと感じています。物事を無意識に「やらなきゃいけないこと」と「やりたいこと」に分けているから、後者に後ろめたさを感じてしまう----この前野さんからの指摘が、私にとって最も大きな気づきでした。「やらなきゃいけない」という意識を外すのは難しそうですが、そもそもの意義を振り返って、少しでも「やりたい」という気持ちを高めることは、仕事でもくらしでも実践していきたいなと感じています。もともと私は、文章を書くことが不得手で気乗りしないタイプです。ただ、この記事を執筆する際には「きっと同じような悩みを持った方の役に立つはず」「この学びを多くの人と共有したい!」という思いで、驚くほどモチベーションを高く取り組めたんです。苦手なことでも「やりたい」気持ちがあれば楽しくできるのだな、と強く実感しました。主体性、大事にしていきたいです。

    この記事が読者の皆さんにとっての「自分らしい休日の過ごし方」を考えるきっかけになることを願っています。

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    Profile

    前野 隆司さんのプロフィール写真 | Make New Magazine「未来の定番」をつくるために、パナソニックのリアルな姿を伝えるメディア

    システムデザイン・マネジメント研究者

    前野 隆司

    1986年、東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、ハーバード大学訪問教授等を経て、2008年に慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授就任。2017年より、慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任。著書に『ディストピア禍の新・幸福論』(プレジデント社、2022年)、『幸せのメカニズム』(講談社、2014年)、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房、2004年)など。

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