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家電を"所有する"から"循環させる"へ。パナソニック×CLASが描く、家具・家電のサーキュラーエコノミー

家電を

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    「まだ使えるから、捨てるのはもったいない」
    「新しい商品も気になるけれど、今の家電をどう手放せばいいのかわからない」
    家電の買い替えを考えたとき、そんな迷いを感じた経験がある方もいるのではないでしょうか。

    「所有する」から「必要なときだけ利用する」へ。暮らしのあり方や環境意識の変化に伴い、家具・家電のサブスクリプションやレンタルサービスが注目を集めています。
    2026
    年7月、「パナソニックくらしビジョナリーファンド(パナソニックCVC)」は、家具・家電サブスクを展開する株式会社クラス(CLAS)への出資いたしました。
    メーカーとして高品質な製品を届けてきたパナソニックと、循環プラットフォームを構築してきたCLAS。両者が手を組むことで、暮らしの現場にどのようなイノベーションが生まれるのか。CLAS、パナソニックの事業担当者にそれぞれの視点からお話を伺いました。

    メーカーだけでは描き切れない。循環する家電の仕組み

    ー初めに。CLASはどのようなサービスなのでしょうか?

    久保裕丈さんCLASは、家具や家電などの耐久消費財を循環させながら、お客様に「自由な利用」を提供するサービスです。
    例えば、月額で利用し、必要なくなったら返却する。長く使いたければ使い続けることもできますし、場合によっては購入することもできます。
    これまでは「購入して所有する」ことが中心でしたが、それだけではない選択肢をお客様に提供したいと考えています。

    ーCLAS立上げの背景をおしえてください

    久保裕丈さん起業のきっかけは、自分自身の引っ越しでした。
    前の家で使っていたものを苦労して新居まで運んでも、いざ置いてみるとサイズやデザインが合わない。結局捨てて、また買い直すことになりました。
    家電や家具を「買う」という行為は、思っている以上に負担も大きいし、勇気のいることなんですよね。
    だからこそ、合わなければやり直せるような、もっと自由なサービスがあってもいいんじゃないか。それがCLASを始めた原点の一つです。

    ーCLASのサービスをどう見ていましたか?

    渡邊 暦さんここ数年特に、身近にも、CLASさんのようなサービスを使う人が急速に増えていると感じていました。
    例えば学生生活の4年間だけ家電が必要という場合、購入して最後に処分するよりも、必要な期間だけ利用する方が合理的という人もいると思います。
    ただ、サブスクでは商品が必ず戻ってきます。戻ってきた商品をどう再生して、次のお客様につなげるのか。そこはメーカーとしてもしっかり考えていかなければいけない。

    ー「下取りキャンペーン」の背景をおしえてください

    渡邊 暦さんパナソニックとしてはずっと売り切り型の商売を100年頑張ってきました。
    ただ、市場環境やお客様の価値観も変わってきている中、そこに私たちも変わっていかないといけない。メーカーとして、つくったものを回収し、再生して、価値をできるだけ次につないでいく。それが循環のあるべき姿だと思っています。そのサークルの中で「回収」って不可欠だと思っていて、ずっとやりたいっていうところがあったんですけど、なかなか一社では取り組めずにいました。今回の「下取りキャンペーン」は、メーカーが行う回収の一手段...という位置付けです。

    また、別の観点で、メーカーが商品を引き取ることで、ものづくり自体も変わっていくのではないかと考えています。
    これまでは、お客様が実際にどういう使い方をしていたのか。何年使うと、どこがどのような状態になるのか。私たちにも、まだ十分に知見がない部分がありました。商品が戻ってくれば、そうしたことを実物から知ることができます。再生して次のお客様につなぐことまで含めて考えることで、新たに分かることがあると思っています。 

    当社のサーキュラーエコノミーの考え方  ※CLASの展開するサービスは「サーキュラーエコノミー型事業」に位置づけ

    久保裕丈さん循環を実際にやっている立場からすると、メーカーさんに期待するのは、再生することを見越したものづくりです。例えばリファービッシュでは、「清掃しやすいこと」と「部品を交換しやすいこと」がとても重要です。
    洗濯機なら分解して隅々まできれいにできること。経年劣化した部品があれば、そこだけ交換できること。我々は循環させるためのオペレーションはつくれますが、製品そのものをどう設計するのかという上流部分はメーカーにしかできません。そこは非常に大きな役割だと思います。

    ー「下取り」はどういうタイミングを想定されていますか?

    久保裕丈さん例えば一人暮らしから二人暮らしになったとき。それまでの冷蔵庫でも使えなくはないけれど、少し不便になる。以前なら「まだ使えるし」と我慢していたかもしれません。でも、下取りによって今の家電を次の人へきちんと委ねられるのであれば、新しい暮らしに合ったものへ変えやすくなります。ライフステージが変わる人にとって、下取りは新しい生活に踏み出すきっかけにもなると思います。

    渡邊 暦さん冷蔵庫では、ライフステージの変化は大きな買い替えのタイミングです。
    引っ越しをした、赤ちゃんが生まれた、子どもが食べ盛りになった。逆に、以前ほど大きな冷蔵庫が必要なくなった。そうした暮らしの変化に合わせて、下取りを一つの選択肢として使っていただきたいですね。

    「売るビジネス」と「レンタルビジネス」は、実はまったく違う

    ー今回の連携の背景を教えてください

    渡邊 暦さんパナソニックは長く「売り切り」を中心に事業を行ってきました。
    そこに新たに、回収し、再生し、もう一度お客様に届ける仕組みを加えようとすると、新しくつくらなければならないものがたくさんあります。
    例えば査定のシステムもそうですし、回収して再生し、次につなげるオペレーションも必要です。
    CLAS
    さんは、すでにそうした知見や仕組みを持っています。だからこそ、お互いの強みを掛け合わせる意味があると思っています。

    ー両社の違いを教えてください

    久保裕丈さん「売ることを前提にした会社」と「循環を前提にした会社」のビジネスは、かなり違います。
    CLAS
    では創業時から「ものが循環する」ことを前提に、システムと、それにひもづくオペレーションをつくってきました。
    一方、売り切りを中心にしてきた企業では、あらゆる業務プロセスが「商品が一方向に流れること」に最適化されています。そこに循環を加えるためには、倉庫だけ用意すればいい、システムだけつくればいいという話ではありません。周辺の仕組みも含めて、循環に適した業務をつくっていく必要があります。
    例えば、販売を中心としたビジネスでは、「商品が戻ってくる」というのは、基本的に例外処理です。戻ってくる前提でシステムや現場のオペレーションがつくられていなければ、そのたびに通常とは違う処理が必要になります。

    ところが、サブスクでは逆です。
    商品が戻ってきてくれないと、ビジネスが回りません。返却された商品が、次のお客様に利用してもらうための起点になります。
    つまり、売るビジネスでは「戻ってくること」が例外なのに対して、レンタルビジネスでは「戻ってくること」がビジネスの前提なんです。

    ー在庫管理の考え方にも違いがありますか?

    渡邊 暦さんあります。
    メーカーでは機種ごとに製造し、製造番号は取っています。しかし、例えばサブスクで「この一台をこのお客様が使って、2ヶ月後に戻ってきた」といったところまで細かく把握する仕組みには、まだ改善の余地があります。
    CLAS
    さんでは、一品一品について、いつ戻ってきて、どんな修理をしたのかなどを管理しています。循環に適した仕組みだと感じています。

    久保裕丈さん我々の場合は、同じ商品でも状態がそれぞれ違います。
    新品なのか。一度利用されて戻ってきたものなのか。再生したものなのか。部品を調達すれば再生できるものなのか。
    それぞれの状態を管理する必要があります。
    家具では、例えばソファの本体だけでなく、クッションやカバーなど、細かな部品単位で個品管理しているものもあります。ある部品が使えなくなっても、まだ生きている部品を組み合わせることで再び活用できるからです。

    ーお客様が「買う」と「借りる」を選ぶとき、違いはどこにあるのでしょうか?

    久保裕丈さんサブスクを利用される方には、「将来のために選択肢を残しておきたい」という方が多いです。
    今はこの冷蔵庫が必要だけれど、2年後には引っ越しているかもしれない。転職しているかもしれない。家族の人数が変わっているかもしれない。
    未来が分からない中で、一つの選択に固定しないということですね。
    もう一つ、家電を買うというのは、実はものすごく「決断のエネルギー」を使う行為だと思っています。
    絶対に必要だけれど、今は選ぶための時間やエネルギーを使いたくない。そうした決断の負担を少し下げることも、サブスクの役割だと思います。

    渡邊 暦さん一方で、気に入った製品を長く使いたいという方には、購入するという選択肢があります。
    だから「買う」か「借りる」か、どちらかだけが正解ではないと思います。
    お客様の価値観やライフステージに合わせて、選べることが重要なのではないでしょうか。

    ー最後に、この取り組みを通して、どんな家電の未来をつくっていきたいですか?

    久保裕丈さん我々が目指しているのは、循環を通じて、環境にとってもユーザーにとってもより良い社会をつくっていくことです。
    ただ、これは一社だけでは絶対にできません。
    一緒に取り組んでいただける企業が増えれば増えるほど、循環するという文化は広がっていくと思っています。
    さらに二次流通の市場がしっかりできれば、実は新品も買いやすくなっていく。そこまで含めて大きな循環がつくれればと思っています。

    渡邊 暦さんパナソニックは、今は「新品を売る会社」という印象が強いと思います。でも、それだけではない存在になっていきたいです。
    ものをつくり、お客様に安心して長く使っていただく。その中で、これからは循環が欠かせません。
    新品だけでなく、二次流通においても安心して使っていただけるような世界を目指していきたいと思っています。

    「下取り」のその先

    左から株式会社クラス 代表取締役社長 久保 裕丈氏/パナソニック株式会社 CXセンター サーキュラービジネス推進課 課長 渡邊 暦

    今回のインタビューで印象的だったのは、「下取り」は、単に古い家電を買い取るための仕組みではないということでした。メーカーにとっては、販売した製品ともう一度出会い、「実際にどのように使われたのか」を知る機会になります。
    そこから再生しやすい構造や、交換しやすい部品について考えることができれば、下取りで得られた知見が、次のものづくりへ戻っていきます。

    そしてもう一つ興味深かったのが、「売るビジネス」と「レンタルビジネス」の違いです。
    メーカーは、より良い製品をつくり、お客様へ届けるための仕組みを長い時間をかけて磨いてきました。
    一方のCLASは、商品を届けるだけでなく、「戻ってくること」を前提にビジネスを設計しています。 戻ってきた一品一品の状態を把握し、手を入れ、また次の人へ届けていく。二つのビジネスでは、「商品をどう見るか」というところから発想が異なっていました。

    だからこそ、両社が一緒に取り組む意味があります。
    パナソニックが培ってきた「ものをつくる力」と、CLASが培ってきた「ものを循環させる力」。
    この二つがつながれば、「つくる → 売る」で終わっていた家電の流れを、循環型へと変えていけるかもしれません。さらにその先では、使われて戻ってきた製品から得た知見が、新たな製品づくりへと戻っていく。

    今回の下取りは、その循環を実現していくための一歩です。
    「売って終わり」から、「使い続けられる価値をつくる」へ。
    今回のお二人の対話から、家電と人との関係そのものが少しずつ変わっていく可能性が見えてきました。

    CLASサービスサイト
    【公式】CLAS(クラス)|家具・家電・インテリアのレンタル・サブスク・通販

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